特別拝観のサツキ咲く安楽寺へ

浄土宗 住蓮山 安楽寺

安楽寺は、鎌倉時代のはじめ浄土宗元祖法然上人の弟子にあたる住蓮上人安楽上人が「鹿ヶ谷草庵」を結んだことに始まります。

安楽寺は、春には椿の咲く頃と躑躅が咲く頃、そしてサツキが咲く頃の土日に限り特別拝観されます。いつ行こうかと考えたんですが、サツキの時期にしました。 そして今日6月4日が最後の拝観日であったため、多少曇空でも訪れたしだいです。

拝観時間は9時30分からでしたが、着いたのが9時45分。 既に本堂前にはサツキを撮るため狭い石畳に人だかりが、「ビックリ」でしたが「やっぱり」が正直な感想です。


門前の石柱

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この寺の前身が浄土礼讃の根元地であることを石柱に刻んである。 

この写真のみ4月に撮ったものです。今日は山門下で沢山のカメラマンがおり、撮れなかったため。


山 門(登録有形文化財)

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1892年(明治25)の建立、現在では珍しくなった茅葺きの山門。


本堂前庭園

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上、綺麗に切り込まれたサツキが美しい 下、仏足石(釈尊の足跡を石面に刻んだもの、本堂前にあります)


本 堂(登録有形文化財)

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常行三昧堂として使われいた方形裳階造の堂字を江戸時代後期に移築。平成14年~15年に修理された。本尊は阿弥陀如来立像堂内は撮影禁止です。


堂 内

9時30分から30分おきに堂内で説明があり、約10分程度です。 私は10時から聞きました。 それによると後鳥羽上皇に女官として仕えていた松虫姫鈴虫姫は上皇から寵愛を受けていたが、いつしか出家を望むようになり、住蓮上人と安楽上人の「鹿ヶ谷草庵」で両人の前で剃髪出家し、尼増となった。時に松虫姫19歳、鈴虫姫17歳であった。

この事を知った上皇は激怒し専修念仏教団にたいして弾圧し、松虫姫を出家させた住蓮上人は近江国で斬首。鈴虫姫を出家させた安楽上人は六条河原で斬首に処せられ、法然上人は75歳の高齢にもかかわらず讃岐へ流罪、親鸞上人は越後の国へ流罪に処せられた。これが世にいう「建永の法難」です。

その後、両姫は瀬戸内海に浮かぶ生口島の光明坊に移り、念仏三昧の余生を送り、松虫姫は35歳、鈴虫姫は45歳で往生を遂げられた。

上記両上人の亡き後、「鹿ヶ谷草庵」は荒廃したが、流罪地から帰京した法然上人が菩提を弔うため草庵を復興し、両上人の名前をとって、「住蓮山安楽寺」と名付け両上人の追善の寺として現在に至ってます。


書院中庭

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中庭にもサツキが咲いていました。向こうに見えているのが書院


書院内と裏庭

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上、書院奥の掛け軸は「安楽寺縁起絵・江戸時代」 下、書院内から見る裏庭

本堂内の説明の後、書院内で裏庭を見ていると、今度は「安楽寺縁起絵」についての説明が始まりました。


安楽寺縁起絵

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右下から①法然上人が讃岐国に流された場面から始まりまり、左へ進み②③は略 左下の④両姫が剃髪される場面 上に上がって⑤略 ⑥住蓮上人斬首の場面 ⑦安楽上人斬首の場面 ⑧法然上人流罪地への船出の場面 上へ上がって ⑨光明坊での両姫の生活の場面 左進み⑩法然上人が光明坊で両姫に最後の説法 ⑪「建永の法難」を機に念仏の信仰が盛んになった場面


書院裏庭

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ここもサツキが綺麗に咲いてました。多分躑躅も綺麗だったんだろうと思います。

最後に、先ほど話しを聞いた、「住蓮上人と安楽上人」のお墓と「松虫姫と鈴虫姫」のお墓をお参りに


「住蓮上人と安楽上人」の供養塔

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お寺の説明によると安楽上人が斬首された六条河原は身分の低い場所であったため無念であっただろうとのことでした。三条が身分が高く七条まで下がると低くなるというお話でした。


「松虫姫と鈴虫姫」の供養塔

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境内東南側の竹林に囲まれたところにあり、古くからこの位置にあります。

今日が最終日でもあり、また、サツキが満開間近のためか大変な人出でした。殆どの人は私も含めてサツキがお目当てで、本堂の説明には空いてましたし、書院の説明も少なかったです。サツキだけ写真に納めて帰られたんでしょう。 安楽寺には一度初秋に訪れてましたが、随分前でもあり殆ど忘れていました。松虫・鈴虫両姫の供養塔も場所探しましたから。 曇ったり晴れたりしてましたが、何分湿気が多く蒸し蒸しして暑かったです。



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