「小豆粥で初春を祝う会」の妙心寺東林院へ

通常非公開の妙心寺東林院は、昨年「沙羅の花を愛でる会」で行きました。その時「小豆粥で初春を祝う会」のことを知ったんです。

小豆粥は桜粥、餅粥ともいい、七草粥と同じように、日本古来の新春の優雅な行事で、新年にこれを食すると、一年間の邪気を払い万病を除くと言い伝えられています。


嵐電妙心寺駅を降りると妙心寺には北門から入ります。東林院は境内の南東にあるので、石畳の道を暫く歩くことに。そして13時30分頃にようやく山 門に到着。

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昨年の6月以来の訪問。その時は門前に臨時受付所がありましたが、今はお寺の車が止まってる、本来は使い道は駐車場だったんだと初めて分かって、「そしたら受付は何処?」と思いつつ、門の中へ。


「小豆粥で初春を祝う会」の看板が出ていて、本 堂玄 関

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玄関で靴を脱いで、襖を開けると受付があり、料金(3700円)を支払ったら先ず、本堂奥へ通されます。


本堂前庭の「沙羅双樹の庭」が見える、お部屋で福茶祝菓子をいただきます。

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梅干し入りの福茶祝菓子には、「松の雪(主菓子)・結び笹(干菓子で松と共に縁起もの)・昆布(現代の喜びに通じる)・柿(万物をかき集める)・豆(健康に暮らせるように)・くわい(良い芽が出ますようにとの願い)・みかん(だいだい栄える)」が入っています。

私の前に2組おり、それぞれ名前を呼ばれて書院の方に行かれました。そして名前を呼ばれるまで時間があったので、沙羅双樹の庭を少し見学。

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「沙羅の花を愛でる会」では沢山の拝観者がこの庭を取り囲んでいるので分からなかったが「以外と小さい庭だったんだ」と初めて知りました。そして下の写真については、後で知ることになるんで、ここでは触れないことにします。

時間がきてお寺の方より、「用意ができたので来て下さい」と案内されました。本堂から書院へ移動しますが、途中千両の庭水琴窟なんか紹介されます。食事が済んでからゆっくり写真でも


書院に座ると、お膳が運ばれてきてこれが小豆粥と精進料理。やっと食べられると思ったらお寺の方より「さばの儀式」があるので、「食べるのは待って下さい」と案内が。

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思わず先に箸を付けてしまいそうでした。あわてて箸を置き、「さばの儀式」

「さばの儀式」とは、自分の受けた食の中から少量のさば(生飯・施食)を分かち、庭の木々などにそなえて小鳥や小動物に施すという意味です。

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これが、「さば器」。米粒少量を施します。先きに「沙羅双樹の庭」で見たものがこの事だったんです。お寺の方の説明で「朝までに全て無くっている、鳥や動物が食べてしまいます」と言われてました。

精進料理は、新入社員研修で南禅寺にて一日研修を受けました。その時の昼食が精進料理でした。随分前の話で味なんか覚えていませんが、「絶対残すな、残すぐらいなら箸を付けるな」と厳しく言われたことぐらしか記憶がありません。


私は一粒残らず全て食べました。ここは禅寺のため食事の前に「般若心経」「食事五観文」を唱えるようです。食事も修行なんですね。


書院の前には、枯山水庭園「蓬莱の庭」が広がっています。

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毎年10月には「梵燈のあかりに親しむ会」の催しがあり、この庭にろうそくが灯されます。昨年「沙羅の花を愛でる会」に行った時、書院には精進料理を注文しないと見られなかったです。やっと見られました。


そしてもう一つ「水琴窟(一壺天)」、何とも言えない音色。心和みます。

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水琴窟のあと、書院と本堂の間にある「千両の庭」

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6月の「沙羅の花を愛でる会」では、ここまでしか行けなかったんです。


この「千両の庭」には、飛龍の宿り木があって、本堂から書院に向かう途中にお寺の方より説明を受けました。

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樹齢推定300年の槇に1966年(昭和41)に鳥によって黒松の種子が自生したもの。説明が無かったら通り過ぎるところでした。


結局、私の後には誰も入って来なかっので、小豆粥を食べたあとは本堂でゆっくりできました。ただ私より前に入られた2組は、まだ書院でゆっくり食事されていましたが・・・。小豆粥と精進料理は、特別美味しいとは思いませんでしたが、残さずいただきました。これで一年間、病気も無くすこやかに過ごせたら御の字です。

「小豆粥で初春を祝う会」は、今月の31日(火)まで、予約は不要です。時間は午前11時~午後3時まで。



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