揚屋建築の唯一の遺構 角屋もてなしの文化美術館へ

揚屋とは、現在の料理屋・料亭にあたるもので、その遺構が保存されている角屋もてなしの文化美術館へ行きました。

ここは、通常拝観ではなく、3月15日~7月18日、9月15日~12月15日の月曜日を除く、午前10時~午後4時に見る事ができます。拝観料は、1000円。2階の特別公開の座敷は、特別料金で800円と予約(10時15分、13時15分、14時15分、15時15分の一日4回)が必要です。

13時15分に予約して来ましたが、少し早く着きました。角屋もてなしの文化美術館入口です。

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ここを入るのは、初めてです。ここの前は、以前、壬生に住んでいたので、何回か通っています。この建物は、重要文化財に指定されいます。

入ると、予約している事を告げると、1時間も早いので、ビックリされましたが「時間までゆっくり1階を見て下さい」と案内され、胸に予約の名札をつけて、入りました。なお、1階だけなら予約は必要ありません。 

なお、入る時に注意があって、『展示物(ガラスケースに入っている)は撮影不可。それ以外は、何処を撮ってもOK。2階は、全部撮影禁止。それと荷物で襖や柱を傷つける恐れがあるので、無料のロッカーに入れてほしい』と案内がありました。 これを聞いて大徳寺を思い出しました。 大徳寺は、すごく高飛車な物の言い方ですが、ここは、申し訳なさそうに言ってもらって・・・。私が大徳寺を嫌いな理由の一つは、この高飛車のためです。余談でした。

入って、台所に行くまでに、前庭

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角屋の家紋(蔓三つ)の五幅暖簾と辻行燈。時代劇に出てくるようなシーン。風情があって、当時に繁栄を偲ばれる。

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玄関から見たもの。古井戸なんかあって、本当にタイムスリップしたかのような感じ。

天 水 溜

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家門が入って、上に天水桶、木枠に屋根付き。

太夫も、ここを歩いていたんでしょうね。それでは、入ってすぐの、大きな台所から。

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説明で聞いた話ですが、ここは料理を自前で出していたそうです。どうりで、大きな台所のはずです。 ここも重要文化財に指定されいます。

帳 場

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時代劇でしか、見た事がありませんが、実際このように津使われていたんですね。

箱 階 段

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先般訪れた、洛東遣芳館でもありました。

大きな台所でした。当時は、さぞかし繁盛してたんでしょう。 言い忘れましたが、入ってすぐには展示室があって、期間ごとにテーマを替えて、当時の品を見る事ができます。

そして台所の奥、中庭の手前にあるのが網代の間です。

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この襖絵は、長谷川等雲筆「唐子の図」です。

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網代の間は、広さ28畳もあります。付書院に火燈窓を設けて、欄間は、網組の障子が入っています。ここも重要文化財に指定されいます。

その前にある中 庭です。

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京町屋では、必ず見かける中庭です。手水鉢に水は流れていませんが、後で出してもらいました。

ここの中庭の前に、2階へ上がる階段が隠されています。(2階へ上がる時にわかりました) 階段の前に扉があって鍵がかかってて、おまけにガイドさん名が門番されています。すごい警戒されています。何だろう?と思ってしまいます。

ここの奥にあるのが、松の間です。

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ここで10分程度、ガイドさんより説明を聞きます。この回は、私一人だけだったんで、15分ぐらい聞きました。新選組局長の芹沢鴨が、ここで宴会の後、壬生の八木邸で暗殺されるわけです。剣豪だった芹沢鴨に酒を飲まして、酔ったところを襲われたんですね。ここの大広間が芹沢にとって、最後の晩餐となったわけです。この建物は、比較的新しく、ここだけ重要文化財に指定されいません。

この松の間の前にあるのが、臥龍松の庭(京都市指定名勝)です。

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善峯寺の臥龍松に比べてたら見劣りしますが、それもその筈、3代目だそうです。これから年月を経て立派になるんでしょう。

非公開の茶室「曲水亭」(重要文化財)です。

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ガイドさんより、この茶室はめずらしいオープンカフェになっています。その奥の茶室「清隠斎茶室」(重要文化財)は、写真では見えずらいかと思います。

そして最後の茶室「囲いの間」とその前にある露地

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右の奥に見えているのが、初代臥龍松の切り株です。

13時15分前に、係の方が呼びに来られたので、2階の入口へ。 1階はほぼ独占で見られましたけど、13時過ぎになると2階を予約してた団体が入って来られました。それでも10人程度だったと思います。

上がる前に、再び注意が。「写真は禁止。荷物はロッカーに入れるか胸でかかえる事」 団体さんが入って来られたので、仕方ありませんが、何回も聞かされた私は、「何回もしつこい! わかってる」とつぶやきが・・・。

2階では、説明するガイドさんと、監視員が2人。ものものしい警備と言ったところです。

緞子の間、扇の間、馬の間、青貝の間、桧垣の間を見学できます。別途800円。要予約。別途料金の値打ちがあるかどうか?

私は、大変満足でした。新選組が残した刀傷も残っています。1階で預ける刀を新選組は2階まで持って上がったそようです。ガイドさんの話も大変わかりやすく、熱心に語ってもらいました。長い時間、待った甲斐がありました。 前から行きたかった角屋もてなしの文化美術館を満足して帰りました。 期間が限定ですが、是非!!。

※ 京都市北部の古刹・志明院も山門以降は、荷物を預けて拝観します。もちろん撮影禁止と言うより手ぶらのため、できません。文化財保護のためで、仕方のないことかも知れませんね。



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