「高台寺」文化財特別鑑賞の夕べに参加

8月23日(金)16時30分から京都市文化観光資源保護財団主催「高台寺」文化財特別鑑賞の夕べに参加しました。前日まで15日連続猛暑日が続く京都で、この日も朝は晴天でした。 しかし、天気予報では昼から雨降りで、雷を伴って夜には強く降ると出てました。せっかくの鑑賞会に「雨は嫌だなぁ」と思いましたし、この鑑賞会の後、鴨川の川床を予約してたこともあって、前日までの晴天と、この日の予報の悪さを恨みましたが、こればかりは仕方ないことです

前回アップした高台寺掌美術館を見学したあと、案内どうりに高台寺の庫裏に16時15分に着きました。

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通常は、庫裏の左に拝観受付があって、そこから入りますが、この鑑賞会の参加者は、庫裏の右、唐門から入ります。

高台寺は臨済宗建仁寺派に属し、北政所・ねね(高台院)が夫豊臣秀吉の菩提を弔うために徳川家康の援助を受け創建した古刹です。

本堂から見た唐門です。通常は開いてません。

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方丈内には、既に多くの人が座ってましたが、先に方丈前庭園を撮りました。

夕暮れの方丈前庭園です。

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奥に霊山観音が見えています。高台寺の夜間拝観には来たことがありますが、夕暮れは初めてです。

次に勅使門と有名な枝垂れ桜です。

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ここの桜は綺麗です。何回も来てますが、見てて飽きません。但し朝早くから観光客は多いですけど・・・

16時20分に方丈内に入り、扇風機の前に座りました。汗かきで室内も蒸せるように暑いので、良いポジションが空いてました。そしたら16時25分に高台寺 執事長 後藤 典生氏が入ってこられて、時間前ですが、講話が始まりました。

最初は、豊臣秀吉の話。そして仏教のこと、最後は高台院(北政所・ねね)の話。戦国歴史ファンの私にとっては、大変興味深く聞かせてもらいました。暑さも忘れて、20分は早かったです。

講話が終われば、2班に分かれて、見学です。今日の目玉は通常非公開の茶室を見学できることでしょう。案内は、いつものように『京都の文化財を守る会』のガイドさんで、こう何回も参加していると顔を覚えました

通常の拝観コースから入り、茶室「湖月庵」の四阿の前で、最初の案内がありました。

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そこからは、祇園閣が見えてました。現在特別公開中で、ここに来るまでに前を通りましたが、受付の人が暇そうでしたね。暑いので、来る人は多分少ないのでしょう。

話が終わると、ここで2班に分かれ、私は先に鬼瓦席から見学てす。

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豪商・灰屋紹益と妻・吉野太夫(2代目)との好みの茶席であり、遺芳庵と共に高台寺を代表する茶席として知られています。外の鬼瓦がレプリカで、室内の鬼瓦が本物だそうです。余談ですが、室内の撮影も許可をもらっています

次いで、遣芳庵です。

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先ほど見た鬼瓦席と同じで高台寺を代表する茶席として知られています。2代目・吉野太夫ゆかりの名席で、吉野窓と呼ばれる大きな円形の下地窓が特徴です。ここも撮影の許可をもらいました。鑑賞会では通常では見られない内部も見学で、また、案内してもらえるので暑い中参加できて良かったです。

2代目・吉野太夫は、「寛永三名妓」のひとりといわれた島原の遊女。粋人として知られた豪商・灰屋紹益に身請けされたが、38歳の若さで亡くなったと言う。

上記の話は、最初にガイドさんより詳しく話しを聞きました。茶席を過ぎると、回遊式庭園を目にします。

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開山堂の西から続く、楼船廊か見えています。

そして少し進むと、開山堂と楼船廊と、今が見頃の百日紅が綺麗です。その楼船廊の中程(写真では、左端)には、重要文化財の観月台が見えています。

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伏見城から移築したと伝わる観月台は、唐破風の屋根を持ち、ここで高台院は月を愛でたんでしょう。

東山を借景とするこの庭園は、小堀遠州の作庭とも言われてますが、明治維新の廃仏毀釈の混乱によって荒廃。そこで現代の庭師・北山安夫によって、桃山時代の庭園が蘇らせ1989年(平成元年)より一般公開を開始され現在に至っています。

次に開山堂に移動します。

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堂内は、撮影禁止です。ガイドさんより詳しく話しを聞きますが、通常拝観でも、ここ高台寺の係の方が、説明してくれます。

堂内中央部に墓所があり、その仏壇上に三江紹益(さんこうじょうえき)坐像を安置。その右にねねの兄・木下家定夫妻の木像、左に高台寺建立に寄与した堀監物直政の木像が祀られています。

中で説明を聞いてましたが、あまりに暑いので外へ出ました。外は風があって涼しかったので・・・。開山堂の西を見ると偃月池その奥に方丈が見えています。

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夕暮れで拝観者は少なくなりましたが、それでも入って来られます。今日は、拝観時間が1時間延長(18時まで)だそうです。夏の暑い時は、良いかも。ライトアップありませんが、少し涼しくなった境内を散策するには・・・。

そして東をみれは臥龍廊とが臥龍池が。

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開山堂から霊屋に続く渡り廊下。通常は、通行不可ですが、確か年に一回、ここを渡れたかと思いますが・・・。

次に、階段を登り霊屋(おたまや)へ移動します。

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高台寺でもっとも霊験な雰囲気が漂います。ここに高台院(北政所ねね)は眠っています。

堂内内陣は、黒漆地の須弥壇や厨子などに施された艶やかな金蒔絵は『高台寺絵巻』として名高い。この鑑賞会の前に行った、高台寺掌美術館で見られます。

霊屋から臥龍廊を覗きます。

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前途したように、ここは通行できません。過去一度通った記憶があるので、年一度特別に通れる期間があるかと思います。

そして最後の茶室・傘亭と時雨亭を見学するため、少しきつい階段を登ります。そして重要文化財・傘亭(かさてい)の前に着きました。

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鑑賞会参加者は高齢の方も多いので心配しましたが、皆さん頑張って登って来られました。全員揃ったところで、高台寺の係の方より案内が始まりました。

伏見城からの移築と伝わり、茶室内部には秀吉が使用した船着場もありました。傘亭の茅葺き屋根の裏側は放射状に組まれた竹垂木によって開いた傘のように見えます。上部には傘亭の正式名称である『安閑窟(あんかんくつ)』の扁額がかかっています。

そして案内が終わったら、通常の拝観では終わりですが。特別に傘亭内部を除くことと写真の許可もしてくれました。傘亭の内部の写真です。

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重要文化財・傘亭の内部に一度に入ると、底が抜けてしまうので、内部の公開はされてないようです。大勢の参加者が一人づつ内部を除くので時間はかかりましたが、貴重なものを見せてもらいました。

最後が、重要文化財・時雨亭を見学です。

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傘亭と同じく伏見城からの移築で、珍しい2階建てとなっています。

1階が勝手、2階は上段と下段に分かれて、三方の掛け戸を開け放つことができます。かつては京の町を一望できたでしょう。また、大阪夏の陣で大阪城落城の時、大阪方面が赤く染まる空を見て、北政所ねねは、涙したとガイドさんから聞きました。

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ここも少し覗かせてもらいました。

これで、全日程が終わりました。予定より30分早い18時になってました。日中の蒸し暑さは残っていますが、風が熱風から変わってたのが助かります。

天気予報は良くなったけど、雨も降らずに楽しめました。予報では、そろそろ雨が降り初めても不思議ではありませんが、次は以前から予約してた鴨川の川床です。予約は19時30分にしてましたが、早く終わったので、電話して18時30分に変更できました。雨は心配ですが・・・。続く。

2010年3月27日の桜満開時の高台寺は、こちらから→http://68971846.at.webry.info/201003/article_17.html
2009年11月2日の初秋の高台寺(1)はこちらから→http://68971846.at.webry.info/200911/article_1.html
2009年11月2日の初秋の高台寺(2)はこちらから→http://68971846.at.webry.info/200911/article_15.html



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