『法輪寺 送り火観賞と勤行参列』へ

8月16日(土)、JR東海「そうだ京都、行こう。」の会員限定イベントである『法輪寺 送り火観賞と勤行参列』へ行ってきました。

前日、五山の送り火の護摩木を奉納しに行きましたが、この日は朝から雨模様。そしてお昼前に・・・・凄いことが起こりました・・・前日から天気予報は悪かったけど・・・まさか・・・まさか・・・でした

京都市中京区では、午後0時46分までの1時間の降水量が87・5ミリとなり、観測史上2位となりました。そのため大量の雨水が下水道管に流入した影響で、少なくとも市内6カ所でマンホールから雨水が噴出したそうです。また、京都市営地下鉄烏丸線の四条駅では構内に雨水が流れ込んだり、JR西日本嵯峨野線や奈良線の一部区間などで一時運転を見合わせたり、嵐山の土産物店に雨水が流れ込んだりして、市内は至る所で豪雨に見舞われました。先週の台風による大雨被害と2週続いて、記録的な大雨に見舞われたことになりました。

法輪寺は、嵐山の渡月橋を渡った先にあります。このイベントは18時開始です。しかし嵐山が増水したニュース映像を見たので、嵐山の渡月橋が渡れるか心配でした。

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取りあえず渡月橋は渡れました(これ以上水位が上がると、先週に引き続き通行止めになったでしょう。)。渡月橋から見た桂川上流です。ものすごい濁流です

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こちらが桂川下流です。本当は、ここから東山如意ケ嶽の大文字が見えるんですが、まったく見えません。

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嵐山中之島公園に臨時のテントが出てますが、灯籠流しは受付されています。

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しかし、この濁流では灯籠流しは無理です。多分と言うより中止でしょう。今日は流さずに火を灯られるのでしょう。(後日ニュース映像で見ましたが、岸で火を灯されました。もちろん流されてません)

灯籠流しの中止を確認したあと、法輪寺に向かいました。雨は降り続いています。

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大きな石碑があるので、そこから階段を登るか、駐車場への道路を上ります。

ここから少し登ると階段上に山門が見えてきます。

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雨が降り続いてる中、この石段を最後に登ります。

石段のため滑りやすくなっています。一歩一歩慎重に登ると、正面に本堂が見えてきました。

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レンズに水しぶきが濡れてます。風をともなった雨が降り続いてて、ますます五山の送り火の点火が気になります

いつもなら、早くついてイライラするタイプですが、今日は地元だし歩いて何分で着くかは充分分かるので、15分前に着きました。JR東海のスタッフの方も傘を差して待っててくれました。

案内で、書院に入るように言われました。ここ法輪寺の境内は自由散策のため拝観料はいりません。雨の中でも、何人かの観光客が来られてました。

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書院の玄関です。ここら入ります。もちろん書院に入るのは初めてです。

ここに来るまで、JR嵯峨野線と奈良線が大雨の影響で運休してました。この時間ぐらいには動いてたかも知れませんが・・・他、京都線や琵琶湖線も遅延してたので、今日予定されてた人が全員来られるのかと思ってました。

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書院を入ると玄関でJR東海のスタッフが受付されてました。

雨で濡れて、汗で濡れ冷房を期待しましたが、それほど効いてない

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入って左手の部屋に案内されました。親切に椅子席でした。

椅子席は40席用意されてました。それでも3分の2は埋まっています。部屋には扇風機は回っていますが、暑かったですね。そうこうしている間に18時になり、このイベントが始まりました。

最初にJR東海のスタッフの方か、本日の注意事項の案内に次いで、法輪寺 住職 藤本 高仝様より、本日の段取りを説明されました。今日大雨が降ったし、今も降り続いています。そのことを心配さてました。

先ずは、書院を出て見晴台に全員で移動です。雷が鳴って小雨は降ってました。それも途中でやみました。

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先ず眼下に見えているのが渡月橋です。

この写真で見えるエリアでは、遠くは大覚寺大沢池に湖畔に建つ、多宝塔。これは視力が良くなかったら見えないでしょう。それより手前にある大きな建物。嵯峨釈迦堂こと清涼寺の本堂屋根が見えています。その手前大きな屋根が見えているのが、天龍寺です。

それより少し左を見て、曼荼羅山の紹介です。

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今日の主役、鳥居形がある水尾山こと曼荼羅山が見えています。

本来なら(今日のように天候不順でなかったら)愛宕山が見えています。今日は雲でまったく見えません。その山麓に小倉山。小倉餡発祥の地だそうですけど、小倉百人一首で有名です。時雨亭で有名な常寂光寺二尊院も紹介されました。

次に右に移動します。東山の紹介です。

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本日、最初に点火される如意ヶ嶽の大文字は全く見えません。

近くの愛宕山が見えないので、東山にある比叡山はまったく見えません。住職さんは「心眼で見て下さい」と言われましたが・・・。ここからは東山三十六峰が見渡せます。大文字も見えませんが、20時の点火まで天候が回復するかがポイントです。

それよりさらに南に目を向けます。こちらには京都タワーが見えるはずです。

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この見晴台には遮る物がありません。眺望は素晴らしいです。肉眼でも京都タワーは霞んで見えてました。住職さんの話では、「お昼には全く見えてなかった」と言われてました。

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話を聞いてると、日が陰ってきました。眼下の渡月橋は通行止めにはなっていないようです。

住職さんが大きな声で、一生懸命説明していただいてるのに、今日のイベント参加者のスマホや携帯が一斉に鳴ります。それも鳴り止まないくらいに・・・。緊急速報「エリアメール」です。右京区京北町に避難勧告が出たので、行政からのお知らせです。それほど緊迫してたんですね。この緊急速報「エリアメール」は、イベント中に何度も届きました。

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拡大した鳥居形で、点火の約2時間前です。恐らく点火に向けて一生懸命努力されてたと思います。大雨で足元が悪いのに・・・護摩木を運んだり・・・大変な努力をされてた頃でしょうね。拡大しても人影は分かりません。

最後に反対側を向いて下さいと案内されました。嵐山の説明です。

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写真左の建物が書院です。最初に集合した所です。

先ず奥にとがった山が嵐山です。名勝嵐山は・・・あの山のことです。山頂付近には戦国時代の嵐山城跡の石垣が今でも残ってるようです。城好きで、当然知ってましたが、あまりにも辺鄙で行けてません。そして手前の山が岩田山です。モンキーパークいわたやまが有名ですね。外国人観光客にも人気があるみたで『外国人に人気の日本観光スポット』の14位にランクされました。

ここから見える京都市街地の説明を丁寧にされました。次に書院に戻るのかと思いきや収蔵庫の見学だそうで、そちらに移動です。写真で見えてる門は見晴台出入口です。

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このイベントに参加するまで、この見晴台もいつでも自由に散策できるものと思っていました。しかし17時に閉められるんですね。初めて知りました。私らは、この門から出ましたが、再び閉められます。ここは20時に再び開きますが、それまでは固く閉められたままです。

住職さんの楽しい京都観光案内が終わって、次に収蔵庫に向かいましたが、その前に本堂の前に来たらストップがかかりました。

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雨は止んだか小雨になりました。写真もフラッシュが必要となるほど暗くなりました。

神社なら狛犬でしょうけど、ここはお寺です。狛犬の代わりに虎と牛が守っています。その説明をされました。

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右の虎が口を開けて、左の牛は口を閉じてます。

法輪寺のご本尊は、虚空蔵菩薩です。その虚空蔵菩薩は、丑(うし)年、寅(とら)年生まれの人の守り本尊です。それで虎と牛が守っているのでしょう。

再び住職さんのあとを付いて、収蔵庫に向かいますが、こちらは多宝塔です。収蔵庫は多宝塔の裏と言うか隣にありました。

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この多宝塔は桂川の対岸からも見えるので、嵐山のシンボル的な存在かなぁ・・・でしょう。

こらから収蔵庫に入りますが、法輪寺は観光寺院では無いので、普段非公開です。このイベントでしか見られないので、楽しみの一つでした。収蔵庫内は撮影禁止です。それより狭いので、40人もいちどに入れません。10人単位で見学です。

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左、持国天像(重要文化財) 右、多聞天像(重要文化財) 鎌倉時代初期の作。(収蔵庫内のバンフより)

本来は、北を多聞天、西を広目天、南を増長天、東を持国天が護りますが、応仁の乱で2体が焼失。現在は、持国天と多聞天をお堂の奥で大事に護って来られたそうです。

収蔵庫内は狭いので、両像とも間近で見られます。そして後ろにも回ることができ貴重な仏像を見せてもらいました。収蔵庫を出たら書院に戻ります。

そしたら冷たいお茶と和菓子をJR東海のスタッフの方よりいただきました。

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創業明治24年 京都西陣御菓子司愛信堂さんの葛饅頭でした。饅頭の上に鳥居形が乗ってます。いかにも大文字の日に相応しい饅頭ですね

収蔵庫から40人が戻って来るのを待って再び住職さんがお寺の歴史についてお話されました。

法輪寺は、都か京に移される前の713年(和銅6年)元明天皇の勅願により行基菩薩が創建したのが始まり。ななお、行基菩薩は奈良東大寺の建立で知られています。創建当初は、霊験あらたかな泉が湧いてたこともあり葛井寺(かどのいじ)と呼ばれてました。平安時代に入り、弘法大師の弟子・道昌(どうしょう)が829年(天長6年)に本尊虚空蔵菩薩を安置し、874年(貞観16年)に寺号を法輪寺と改め伽藍が整備されていきます。その後、応仁の乱や蛤御門の変で二度の兵火を受けましたが、その都度再興されました。本尊虚空蔵菩薩は「嵯峨の虚空蔵さん」として親しまれて、その知恵と福徳を授かるため、4月30日を中心に、全国から「十三参り」に訪れます。

住職さんが法輪寺の歴史について説明されてる途中に、前にあった掛け軸の説明に移られました。その掛け軸は「法輪寺参詣曼荼羅図」(京都府重要文化財)と言います。

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お土産にいただいた「絵はがき」にこの絵図が入ってました。後ろの席の人は、その絵はがきを見て説明を聞きました。(下は、貰った絵はがきを拡大したものです。)

この絵図に描かれてる境内は「応仁の乱」の前に描かれたものです。先ず桂川に架かる橋で、法輪寺橋と呼ばれてました(法輪寺に参詣するための橋で、後に渡月橋と呼ばれます)。嵯峨天皇が法輪寺に参詣に来られた時「船で渡られるのは気の毒」という事で、この地の有力者であった秦氏の協力のもと橋が架けられたそうです。当時、お寺に入るのに拝観料はありませんでした(法輪寺は今も拝観料はありませんが・・・)。橋の手前に小屋があって、僧侶が尺を持って通行人から通行料的なものをいただいてたようです。その模様が描かれてました。また、この絵図には仁王門が描かれています。「応仁の乱」で焼失するまであったようです。また、この絵図には空也上人も描かれています。法輪寺で籠もられて修行をされたからでしょうか

説明が終わると前に行って先程の話を頭に入れて絵図をじっくり鑑賞しました。そして全員見終えると住職さんより、本堂に行くように案内され、全員で向かいました。ここの本堂は通常、入れないので興味津々です

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本堂内は暗くて・・・対面の人の顔が見えないほどです。そして全員が揃ったところで、ご住職が般若心経を唱えられました。(写真は勤行の模様です。本堂内は撮影禁止です。実際はもっと暗いです。)

法輪寺の本尊は虚空蔵菩薩です。弘法大師の高弟である道昌によって彫られた由緒ある虚空蔵菩薩さまですが、秘仏として大切に祀られているため目にすることは叶いません。しかし、ご本尊様の前には、お姿を写したお前立ちを近くで拝ませていただきした。このお前立ちも大変古く、なんと加賀の前田利家が寄進したものだそうです。

お勤めが終わると住職さんより、右手の持物を模した剣と、左手の持物を模した球系の水晶の説明をされました。「剣を触ると知恵を授かり、水晶を触ると欲しいものが手に入る」と住職さんが言われました。私は両方触らせてまらいしまた

これで法輪寺での行事は終わりました。いよいよ五山の送り火の鑑賞に突入です(住職さん曰く)。本堂から再び書院に戻り外を見ると、見晴台の入口に長蛇の列ができてました。驚きです

このイベントに参加した人は、書院から見晴台でに行けるので、送り火の鑑賞にはベストポジションを確保できます。それを確認して住職さんが門を開けられ一般の方が入って来られました。

天気は心配でしたが、20時に大文字が例年より少し霞んで見えてきました。そして20時20分に鳥居形に点火されました。

残念ながら良い写真が撮れなかったので・・・・しかし、ここから見るのは初めてでしたが、予想より大きく見えました。

しかし、鳥居形はここより、やっぱり鳥居本で見るのが一番です。点火されてから30分で消えてしまうので、ここから猛ダッシュで、そちらに向かいました。

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間に合いました。殆どが地元の人が見ています(多分)。しかし蒸し暑いこともあって・・・バテました。肉眼で見る鳥居形は、写真より大きく見えます。人が動くのも分かるほとです。

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地元のKBS京都では、大文字中継を生放送で放送されたので、帰ってから録画したのを見ました。大雨の影響で左大文字は、なかなか火の勢いがもう一つでしたね。それと・・・こんな一コマも・・・「今日大雨ですけど?」とアナウンサーが質問すと・・・鳥居形の保存会の人は、「何が何でも付けます」・・・その気合いが実ったようですね。

ここ数年、16日が平日のため、五山の送り火(鳥居形)を見に行ってませんでした。仕事から帰って、風呂に入ってしまうと出掛けるのが面倒になって・・・送り火の時間帯は雨もやんで良かったです。これからは毎年行くようにします・・・多分

後日、会社の同僚に声を掛けられました。「鳥居本で送り火、見てなかった」と。友人と見に来られてたみたいで・・・(友人は地元の人らしい)・・・よくこんな所まで見に来られたようで・・・お疲れ様



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