隠元禅師が中国禅を宇治に伝えた 黄檗山 萬福寺(前編)へ
今年、京都の最高気温は38.3℃でした。その最高気温を記録した7月26日(土)に、『萬福寺を知る夏の夕べ』のイベントで萬福寺を訪れました。じっとしてても汗が噴き出るぐらい暑かった・・・あの日から3ケ月が過ぎ、再び萬福寺を訪れました。
萬福寺では、10月22日(水)~28日(火)の期間中に「手しごと回廊」と言って通常非公開の松隠堂・西方丈・東方丈(いずれも国指定重要文化財)が会場となって、各作者の作品が展示販売されるというイベントがありました。
通常非公開の松隠堂・西方丈・東方丈は魅力ありますね。前回のイベントでは東方丈には入りましたが、松隠堂・西方丈は未訪です。それなら再び行くしかないでしょう。今日の目的は松隠堂と西方丈です。特に西方丈は、過去のイベントでも使われたこともないので、興味津々でした。
この日もJR奈良線で黄檗駅まで行き、そこから歩いて5分もかかず萬福寺の総門に着きました。
前回と同様に総門横が工事中でした。少し残念な気持ちで、この門を入りました。
屋根の左右にあるインドに原型をもつ「摩伽羅(マカラ)」という想像上の魚。今日は、しっかり確認しました。
総門を出たら拝観受付がある三門を目指します。その三門の横に前回見損ねた窟門(くつもん)を確認しました。
三門の左右にあり、私が見た左側を「白雲関(はくうんせき)」といいます。第5代高泉の書。1768年(明和5年)。
これでスッキリしたとこで、拝観受付に行きました。あの暑い夏の日に登った三門の下に拝観受付はあります。拝観時間が9時のため、9時過ぎに着くようにここまで来ました。
今日来たもくである「手しごと回廊」の看板が出ています。ひとまず安心したところ受付に行きました。ここで思いがけないことを・・・。
拝観料500円を納めると、特別拝観している宝物館も聞かれました。別途500円要るそうで、ここでは共通券は買いませんでした。そして・・・「今、手しごと回廊をやってます。」と言ってパンフもらいました。そして受付が10時からと聞き・・・ア然・・・HPでは9時からと書いてあったので、9時に来たのに・・・1時間も・・・時間をつぶさいと・・・知ってたら10時に来たのに・・・と思っても仕方ありません。境内をウロウロして1時間つぶすことにしました。
「ここを10時に出て買い物に行く」と考えてた予定は変更して、境内をくまなく散策することにしました。最初は、開山堂から見て行きます。パンフに載ってる拝観の順番としては逆ですが、好きな所から見て行きます。開山堂の正門である通玄門(重要文化財)から入ります。
この門は重要な結界の一つであるため、円柱となってるそうです。
前回は僧侶さんの案内により団体で廻ったので、細かくは見られてません。せっかく時間ができたので、じっくりゆっくり見て行きます。
黄檗山開山隠元禅師をお祀りしているのが開山堂(重要文化財)です。1675年(延宝3年)建立されました。
通玄門をくぐると開山堂まで、氷裂文の石畳を進みます。
堂内中央に隠元禅師の像が安置されていますが、非公開のため見られません。ここも僧侶さんに案内してもらったと思いますが、時間が押してたのと猛暑のため、あっさりしていたような気がします。
開山堂を見て趣ある回廊を進みます。
そのまま奥に進むと寿蔵(じゅぞう)(重要文化財)があります。
前回「もっと近くで見たかった」と書いてます。それで今日は、近くで行きました。しかしそれも、石段下までです。隠元禅師の生前に築造された墳墓。中国の様式をそのまま伝えています。
次ぎも近くで見られなかった石碑亭(せきひてい)(重要文化財)です。
1709年(宝永6年)亀趺付きの顕彰碑と同時に建立。碑には隠元禅師の特賜大光普照國師塔銘が刻まれてるそうです。
次ぎ次ぎとスッキリして行きます。そのまま回廊を進むと・・・ありました合山鐘(がっさんしょう)です。
前に説明を聞いているので、スルーしうとしたら・・・。
庭園があることに気がつきました。中和園と呼ばれています。
猛暑の影響で全く気が付かなかった庭園を見つけました。1972年(昭和47年)隠元禅師の300年大遠諱の時に整備されたようです。
その奥には筆塚の碑もありました。
そのまま回廊を緩やかに上がると、鼓楼(重要文化財)がありました。
679年(延宝7年)建立。前回中を覗いてなかったことに気が付きましたが、内部は見られないようになってました。対岸に鐘楼があって、朝5時開静、夜21時の開枕い大鐘と太鼓をもって、時刻と消灯を知らせているそうです。
その横が祖師堂(重要文化財)で、達磨大師坐像が中央に安置されてました。
1669年(寛文9年)建立。達磨大師坐像と開山隠元禅師から57代までの歴代管長の位牌が祀られています。
次ぎに祖師堂の東にある禅堂(重要文化財)です。
1663年(寛文3年)建立。堂内には白衣観音像(非公開)が祀られています。中は覗けません。隠元禅師筆の「選佛場」の大額が掛けられる座禅修行の道場となっています。
ここで萬福寺の本堂にあたる大雄宝殿(重要文化財)に行きました。ここで「梵唄(ぼんばい)」の法要に参列させてもらったんですね。
1668年(寛文8年)の建立。朝のためここからでは逆光です。「大雄」とは釈迦如来をさし、大雄宝殿は、釈迦如来を祀る堂のことです。
中央が釈迦如来坐像、右に迦葉、左に阿難を脇侍として安置されいます。
それを取り囲むように十八羅漢像が安置されています。禅寺の羅漢は十六羅漢が普通ですが、黄檗宗では慶友尊者(けいゆうそんじゃ)と賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)を加えて十八羅漢としています。中国の仏師・范道生の作で、日本の十六羅漢像に比べて表情がどれもユニークです。
大雄宝殿を出て法堂まで来ました。ここで9時20分、残り40分となりました。
朝のため、ここから撮ると綺麗に写ってます。木村拓哉さん主演ドラマ「宮本武蔵」で使われた白砂は、違和感なく敷いてありますね。
境内の一番東にあたる法堂(重要文化財)です。
ここは非公開のため内部は見られませんが、先のイベントの時に入れました。
ただこの日も法堂は開いてました。覗くと一人座禅をされるみたでした。再び扉を閉められたので、その先は分かりませんが、改めてここが禅宗寺院であることを認識しました。今度は南側の回廊を見て行きます。つづく。
【萬福寺 開山堂】
萬福寺では、10月22日(水)~28日(火)の期間中に「手しごと回廊」と言って通常非公開の松隠堂・西方丈・東方丈(いずれも国指定重要文化財)が会場となって、各作者の作品が展示販売されるというイベントがありました。
通常非公開の松隠堂・西方丈・東方丈は魅力ありますね。前回のイベントでは東方丈には入りましたが、松隠堂・西方丈は未訪です。それなら再び行くしかないでしょう。今日の目的は松隠堂と西方丈です。特に西方丈は、過去のイベントでも使われたこともないので、興味津々でした。
この日もJR奈良線で黄檗駅まで行き、そこから歩いて5分もかかず萬福寺の総門に着きました。
前回と同様に総門横が工事中でした。少し残念な気持ちで、この門を入りました。
屋根の左右にあるインドに原型をもつ「摩伽羅(マカラ)」という想像上の魚。今日は、しっかり確認しました。
総門を出たら拝観受付がある三門を目指します。その三門の横に前回見損ねた窟門(くつもん)を確認しました。
三門の左右にあり、私が見た左側を「白雲関(はくうんせき)」といいます。第5代高泉の書。1768年(明和5年)。
これでスッキリしたとこで、拝観受付に行きました。あの暑い夏の日に登った三門の下に拝観受付はあります。拝観時間が9時のため、9時過ぎに着くようにここまで来ました。
今日来たもくである「手しごと回廊」の看板が出ています。ひとまず安心したところ受付に行きました。ここで思いがけないことを・・・。
拝観料500円を納めると、特別拝観している宝物館も聞かれました。別途500円要るそうで、ここでは共通券は買いませんでした。そして・・・「今、手しごと回廊をやってます。」と言ってパンフもらいました。そして受付が10時からと聞き・・・ア然・・・HPでは9時からと書いてあったので、9時に来たのに・・・1時間も・・・時間をつぶさいと・・・知ってたら10時に来たのに・・・と思っても仕方ありません。境内をウロウロして1時間つぶすことにしました。
「ここを10時に出て買い物に行く」と考えてた予定は変更して、境内をくまなく散策することにしました。最初は、開山堂から見て行きます。パンフに載ってる拝観の順番としては逆ですが、好きな所から見て行きます。開山堂の正門である通玄門(重要文化財)から入ります。
この門は重要な結界の一つであるため、円柱となってるそうです。
前回は僧侶さんの案内により団体で廻ったので、細かくは見られてません。せっかく時間ができたので、じっくりゆっくり見て行きます。
黄檗山開山隠元禅師をお祀りしているのが開山堂(重要文化財)です。1675年(延宝3年)建立されました。
通玄門をくぐると開山堂まで、氷裂文の石畳を進みます。
堂内中央に隠元禅師の像が安置されていますが、非公開のため見られません。ここも僧侶さんに案内してもらったと思いますが、時間が押してたのと猛暑のため、あっさりしていたような気がします。
開山堂を見て趣ある回廊を進みます。
そのまま奥に進むと寿蔵(じゅぞう)(重要文化財)があります。
前回「もっと近くで見たかった」と書いてます。それで今日は、近くで行きました。しかしそれも、石段下までです。隠元禅師の生前に築造された墳墓。中国の様式をそのまま伝えています。
次ぎも近くで見られなかった石碑亭(せきひてい)(重要文化財)です。
1709年(宝永6年)亀趺付きの顕彰碑と同時に建立。碑には隠元禅師の特賜大光普照國師塔銘が刻まれてるそうです。
次ぎ次ぎとスッキリして行きます。そのまま回廊を進むと・・・ありました合山鐘(がっさんしょう)です。
前に説明を聞いているので、スルーしうとしたら・・・。
庭園があることに気がつきました。中和園と呼ばれています。
猛暑の影響で全く気が付かなかった庭園を見つけました。1972年(昭和47年)隠元禅師の300年大遠諱の時に整備されたようです。
その奥には筆塚の碑もありました。
そのまま回廊を緩やかに上がると、鼓楼(重要文化財)がありました。
679年(延宝7年)建立。前回中を覗いてなかったことに気が付きましたが、内部は見られないようになってました。対岸に鐘楼があって、朝5時開静、夜21時の開枕い大鐘と太鼓をもって、時刻と消灯を知らせているそうです。
その横が祖師堂(重要文化財)で、達磨大師坐像が中央に安置されてました。
1669年(寛文9年)建立。達磨大師坐像と開山隠元禅師から57代までの歴代管長の位牌が祀られています。
次ぎに祖師堂の東にある禅堂(重要文化財)です。
1663年(寛文3年)建立。堂内には白衣観音像(非公開)が祀られています。中は覗けません。隠元禅師筆の「選佛場」の大額が掛けられる座禅修行の道場となっています。
ここで萬福寺の本堂にあたる大雄宝殿(重要文化財)に行きました。ここで「梵唄(ぼんばい)」の法要に参列させてもらったんですね。
1668年(寛文8年)の建立。朝のためここからでは逆光です。「大雄」とは釈迦如来をさし、大雄宝殿は、釈迦如来を祀る堂のことです。
中央が釈迦如来坐像、右に迦葉、左に阿難を脇侍として安置されいます。
それを取り囲むように十八羅漢像が安置されています。禅寺の羅漢は十六羅漢が普通ですが、黄檗宗では慶友尊者(けいゆうそんじゃ)と賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)を加えて十八羅漢としています。中国の仏師・范道生の作で、日本の十六羅漢像に比べて表情がどれもユニークです。
大雄宝殿を出て法堂まで来ました。ここで9時20分、残り40分となりました。
朝のため、ここから撮ると綺麗に写ってます。木村拓哉さん主演ドラマ「宮本武蔵」で使われた白砂は、違和感なく敷いてありますね。
境内の一番東にあたる法堂(重要文化財)です。
ここは非公開のため内部は見られませんが、先のイベントの時に入れました。
ただこの日も法堂は開いてました。覗くと一人座禅をされるみたでした。再び扉を閉められたので、その先は分かりませんが、改めてここが禅宗寺院であることを認識しました。今度は南側の回廊を見て行きます。つづく。
【萬福寺 開山堂】