『法隆寺・西の京』奈良定期観光バスツアーへ 法隆寺(西院伽藍)編

近鉄奈良駅前を15名のツアー客を乗せ出発したパスは、奈良市内を東に進ます。県庁東の交差点を右折し、奈良公園の中を進んで行きます。そして左手に春日大社の一の鳥居を見て、右手に老舗の奈良ホテルを見ながら暫く南下します。バスの中ではバスガイドさんが細かく説明してくれるので、土地勘の無い私は助かりました。バスは天理市、大和郡山市を通り約40分で、法隆寺の駐車場に着きました。

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法隆寺には久し振りに来ました。30年前・・・40年前・・・それぐらい前です。はっきり言って初めて来たようなものです

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法隆寺の門前通りは、松並木が植わっています。その中をガイドさんを先頭に歩いて行きます。

歩くこと3分で、南大門(国宝)に着きました。奈良定期観光バスでは、バスガイドさんが案内してくれます。

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室町時代に法隆寺内の対立抗争によって焼失したものを1438年(永享10年)に再建されました。

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門をくぐると正面に五重塔が見えてきました。もう胸の高まりを押さえきれません。早く見たいと・・・・

南大門から続く参道の先に中門(国宝)が聳えています。

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先ほどの南大門に比べて中門の方が立派です。これは飛鳥時代の特徴だそうで、奈良時代になると南大門の方が立派になっていきます。

中門の門前には世界文化遺産の石碑があります。この先、この石碑は何度も目にすることになります。この中門には金剛力士像(重要文化財)があります。

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上が向かって右にある阿形像で赤い体で口を開いています。そして左が黒い体で口を閉じる吽形像です。ガイドさんの話では、711年(和銅4年)に造られた日本最古の金剛力士像ですが、後世の補修部分も多いそうです。

ここまては無料で見られるエリアてす。拝観は向かって左側から入ります。その中に拝観受付があります。

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私らはツアー料金に含まれているので、バスガイドさんが手続きしてくれます。ちなみに拝観料は、今年から1500円に値上がったみたいです。1500円・・・高いですね・・・そう度々は行かれないです。(近くに住んでたらの話ですけど

先ず、中門の中央まで行き、バスガイドさんが説明してくれます。それと堂内では説明できないので、先に外での案内があって、個々で堂内を見て回ることになります。

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ここで興味深い話があったので・・・中門ですが、下から3分の1のところが最も太い胴張り(エンタシス)形式が用いられています。これは建物の均等をとるための工夫だそうで、古代ギリシャから伝わったとか。

先ず、金堂(国宝)から見学です。この金堂は法隆寺で最も古い建物と言われてて現存する唯一の飛鳥建築と言われています。

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向かって右から入って左がら出る一方通行となってました。ご本尊は金網越しでのお参りでした。もちろん堂内は撮影禁止です。

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パンフからの切り取りです。実際の堂内は暗くて網があるので、見にくいです。

金堂の建築年代については諸説・議論も盛んですが670年(天智9年)の火災以前に遡る説もあります。しかし法隆寺で最も古い建造物であり、世界最古の木造建築であることには間違いありません。本尊の釈迦三尊像(国宝)は法隆寺全山の本尊であります。聖徳太子の等身像といわれ、光背銘には太子の妃や子どもたちが病気平癒を発願して造られたことが記されています。脇侍の薬王菩薩(向かって右)と薬上菩薩が従います。一つの光背に三尊が収まる形式は、飛鳥時代の特徴だそうです。

金堂の壁画は、1946年(昭和21年)の火災で一部が損傷する悲劇がありました。今では阿弥陀浄土図は焼失前の写真で見ることしかありません。返す返す残念ですね。

次ぎに五重塔(国宝)です。普段から東寺の五重塔を毎日見てますが、ここでは初層はの扉は開いてます。中には入れませんが外から見ることができるようになってました。

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バスガイドさんの話では、いつもなら初層は、遠くから見学するようです(人が多くて見学時間に時間を要するため)。しかし、今日は空いてるので階段を上がって見ることができました。(北面だけの見学でした)

塔は古代インドで釈迦の遺骨(仏舎利)を納め、寺院の中心となる建物でしたが、奈良時代以降は金堂にその地位は譲ります。法隆寺は過渡期的な段階で、金堂と五重塔が並び建っているのが特徴です。高さは34.1㍍、その内の3分の1は、相輪が占めており占めています。また、一番上部(5番目)の軸部は初重の軸部の半分しかなく、とても安定感のある姿になっています。五重塔の初層の内部は、中央を世界の真ん中に聳える須弥山に見立てて、その四方に仏典の名場面を塑像群で表し、特に北面は傑作とされています。

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金堂と五重塔の真ん中の奥が大講堂です。

金堂から五重塔の見学のあとは大講堂ですが、その前にある銅灯籠について案内がありました。

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桂昌院から贈られた灯籠で、桂昌院の名と徳川の葵の御紋がありました。

最後に、この伽藍内の残り一つ大講堂(国宝)に入ります。

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現在の建物は925年(延長3年)に焼失したものを990年(正暦1年)に再建されました。当初は旧建築にならい8間として建てられましたが、元禄の修理に9間となり現在の形になりました。

990年(正暦1年)、回廊に囲まれてた聖域が拡大され、それまで回廊の外にあった大講堂(旧食堂)は経蔵・鐘楼とともに内側に取り込まれました。衆僧が仏法を講賛する講堂にふさわしく堂内は広く、本尊の薬師如来坐像、脇侍には月光・日光菩薩とともに祀られています。990年に再建された同時期の作と言われています。

境内の西北角には経蔵(国宝)がありました。

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普段、京都で見慣れた経蔵とは違うので、伺い知ることはできませんが・・・。

また、反対側の北東角には鐘楼(国宝)があり、遠目から上部に鐘があるのも分かりました。

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ここも普段から見慣れた鐘楼とは違いますね。興味津々時間がたつのもの忘れます。

大講堂を出たら出口に向かいます。その途中、ガイドさんから撮影スポットの紹介がありました。

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金堂と五重塔がセットで撮れます。人も少ないので、申し分なしです

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出口付近でも、金堂と五重塔をセットで納めることができます。

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こちらが出口です。その出口の前に池があって・・・。

誰でも知ってる正岡子規『柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺』の句碑が立ってました。

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正岡子規が法隆寺の茶店で大和柿を食べてる時に、たまたま鐘がなった光景を読んだ句だそうです。

その池の前にあったのが聖霊院(国宝)です。このツアーでは、法隆寺の見学時間は80分です。そのため、ここは素通りでした。

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ここが納経所のようでした。納経帳を持参してたのでバスガイドさんに300円ととも預けます。そのためお参りすることはできませんでした。

次ぎに向かうのが大宝蔵院ですが、バスガイドさんは中に入られませんので、ここで館内の見所についての案内がありました。それは後程・・・。その前には正倉院でお馴染みの校倉造りの建物がありました。網封蔵(国宝)と言います。

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外からの見学です。実際、正倉院を見たことはありませんが・・・こんな感じなんでしょう。

網封蔵を横目に見ながら進むと突き当たりに大宝蔵院がありしまた。

1998年(平成10年)に西院伽藍に建てられた仏堂で、外観は天平時代の様式に、内部は近代的な設備を備えたつくりになっています。北側の百済観音堂を中心に西宝蔵と東宝蔵に分かれ、国宝・百済観音像など多くの国宝が納められいます。

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下の写真は中門です。ここから入って左に入口がありました。

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中門を入ると正面に百済観音堂が見えています。

バスガイドさんの案内で、「国宝中の国宝は是非見て下さい」と言われた百済観音像・・・期待が膨らみます

左の西宝蔵から入って、先ず玉虫厨子(国宝)をじっくり鑑賞です。これは子供の頃に見た思い出が残っています。

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実は、これが一番見たかっんです。私が見たのは年前だし・・・今日のようにガラスケースの中では無かったように記憶しています。どこかなお堂の中・・・だったような・・・暗かったし、恐かったのかも知れません。そんな強烈な印象があって、記憶に残ってたんでしょう。今日ガラスケースに電球が反射して・・・見にくいこと・・・。

そして中央のお堂(百済観音堂)に百済観音像(国宝)です。暫く動けませんでした。仏像好きにたまりません。是非ご自分の目で確かめて下さい。素晴らしいです

法隆寺をじっくり見るなら丸一日かかるようです。このツアーでは80分と決められています。西院伽藍だけでも再訪する必要がありますね。大宝蔵院を出て売店&休憩所があって、ポストカードなんか見てました。私は大講堂で、こっそり購入してたので良かったです。それもツアー客が全て揃ったら早速、次ぎの東院伽藍に向かわれました。ゆっくり買い物もできません。この時11時35分になってました。好きなものを見てると時間の過ぎるのが早すぎ・・・つづく。

【法隆寺 大宝蔵院】



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