金堂大修理で蘇った天平の美 唐招提寺へ

薬師寺の駐車場を出たバスは、5分ぐらいで唐招提寺の駐車場に15時19分に着きました。参考までに歩いても南門からなら15分ぐらいだと思います。

唐招提寺は、753年(天平勝宝5年)に唐から日本へ渡り、僧になるための正式な戒律を伝えた鑑真和上が建立した律宗総本山です。

駐車場から歩いて直ぐに南大門に着きました。この門に拝観受付があり、バスガイドさんが手続きをして、私らは由緒書きを受取ます。

画像
画像
現存かなぁと思ったんですけど・・・1960年(昭和35年)の再建でした。

2009年の夏に薬師寺を訪問した時、唐招提寺の金堂は工事中で・・・その年の秋に落慶法要されたんです。薬師寺に行って、お隣の唐招提寺に行かなかったと言うより、行けなかったのは・・・そう言う訳でした。

南大門を入ったところで、バスガイドさんより唐招提寺の歴史や見所について案内がありました。話を聞きながら世界文化遺産石碑を見つけました。

画像
今回のツアーで世界文化遺産は法隆寺薬師寺そして唐招提寺でした。いずれもお馴染みの石碑がありました。

入ったら正面に金堂が見えています。このツアーに参加した目的は法隆寺と唐招提寺でした。特に唐招提寺の金堂は前々から見たいと思ってたので少々興奮気味です

画像
15時過ぎているので夕陽に照らされています。早く近くに行きたい

唐招提寺の金堂は、全国で唯一奈良時代後期の建築で、鑑真和上の弟子の如宝が建立しました。2000年(平成12年)から始まった大修理は2009年(平成21年)秋に落慶法要されました。屋根西側の鴟尾は天平期の創建当時のもので、東側の鴟尾は鎌倉時代のものです。大修理を機に平成の鴟尾に変わりましたが、本物は新宝蔵で見られるそうです。

画像
ここで内部の見学です。堂内へは入れません。外から内部を覗き込んでお参りします。

画像
暗い堂内を除いてお参りですが、ここの仏像は国宝のオンパレード。驚きです。

金堂の中央には盧舎那仏坐像(国宝)。向かって右手に薬師如来立像(国宝)、左手に千手観音菩薩立像(国宝)の巨大な姿が、淡い金色の光を放っています。

ここも後の人に迷惑がかからなければ、暫く動かず見てたいです。やっぱり堂内に入って見てみたいですね。ここでバスガイドさん案内が終わったので、この先は自由行動です。私らは先ず、朱印を預けに納経所に向かいました。

画像
画像
納経所と書きましたが、朱印をいただくところで間違いないんですが、実際は休憩所と売店です。

ここで朱印帳を持ってきた場合はと、貼るタイプでは朱印が違うんですね。貼るタイプは鑑真和上の絵があったような・・・私は持参してきたので、ご本尊様を書いてもらいました。ただ番号札を渡されて、帰りに受取ます。

じっくり拝観タイプの私にとっては、時間がないので早速散策です。先ずは、鼓楼(舎利殿)(国宝)から。

画像
金堂から、左が鼓楼で、お隣が礼堂です。これでは遠いてすね。帰りに撮るのを忘れました

画像
せっかくバスガイドさんが金堂で説明してくれたのに・・・ポストカードから拝借です。鎌倉時代の1240年(仁治1年)に再建された和洋建築の建物で、鑑真和上が日本にもたらした仏舎利を納めた金亀舎利塔が安置されています。バスガイドさんが説明したくれたのは毎年5月19日に行われる行事のことでした。

5月19日には楼上からハート型の団扇が巻かれます。団扇巻きは、鎌倉時代、唐招提寺中興の祖である覚盛上人が、修行中に上人の肌に止まった蚊を叩こうとした僧に「血を与えるのも菩薩行」と言ったことから、その徳を称え、宝前に蚊を追い払うための団扇を供えたことから始まりました。

この話を聞きながら、ニュース映像を思い出してました。この光景はニュース番組で放映されますね。で、その次は礼堂(重要文化財)奥が東室です。

画像
画像
かつては細長い建物全体が僧坊として使われてましたが、鎌倉時代に南側を釈迦如来を礼拝するための礼堂に改造されました。

その東側に国宝経蔵がありました。

画像
日本最古の高床式の校倉。唐招提寺が創建される前の新田部(にいたべ)親王邸の米倉を改築したと伝わっています。校倉造りとしては現存最古の建物です。

東向きに建っているもう一つの校倉造りの建物、国宝宝蔵です。

画像
奈良時代は、校倉造りの建物の遺構は少なく、東大寺正倉院に3棟、手向山神社に1棟残すのみです。

経蔵・宝蔵を見ながら唐招提寺の境内を北に進みます。少しばかり登って行きますが、目的は鑑真和上の御廟です。その前に御影堂(重要文化財)に寄りました。

もとは興福寺の別当坊一乗院の宸殿で、1650年(慶安3年)に建てられたものを明治維新跡後に奈良県庁や裁判所の庁舎に使用されてました。それを鑑真和上御入滅1200年御諱の法要を機に、1964年(昭和39年)に唐招提寺に移され、鑑真和上像を旧開山堂(現本願殿)から遷座されました。

画像
画像
門は開いてますが、それ以上進むことはできません。調べたら年に3日特別公開されるみたいです。

開祖・鑑真大和上を偲び、国宝鑑真和上坐像を収めた御影堂の厨子の扉が特別に開かれ、拝観することができ、それに合わせ東山魁夷画伯奉納の障壁画と襖絵も特別公開されます。例年 6月5日~7日の3日間で特別拝観料500円。9時00分~16時00分まで。

国宝・鑑真和上像は是非拝みたいですね。唐招提寺はアクセスが良いので・・・再訪します。そして、趣ある土塀に囲まれた砂利道をそのまま東に進むと表門がありました。

画像
ここが鑑真和上御廟の入口です。境内の最も奥にあたりますが、さすがにここまで来る人は多いです。

画像
画像
門を入ると、杉木立に囲まれた砂利道を進みます。砂利道の左右には美しい苔が生してました。

画像
池を渡ると、正面に御廟が見えていますが、その前に、ここで手を清めるんでしょう。

境内北東の奥まった所ににある鑑真和上墓所です。このツアーの唐招提寺拝観時間は50分です。その時間内に、ここまで行ける時間は充分あることをバスガイドさんが最初に案内されました。

画像
以外と言っては失礼ですが、ここまで殆どの参拝者が訪れてました。ここは非常に人が多かったです。

画像
墓所から表門を見ています。神聖な場所らしく夕方になりましが、鬱蒼としています。

画像
こちらは東門の方向です。長年雨風にさらされて趣ある土塀は、歴史を感じます。

次ぎに最近ニュース映像で見たことがある鑑真和上坐像御身代わり模像が安置されてる旧開山堂である本願殿に向かいました。

その入口の前にある北原白秋歌碑がありました。

画像
『水楢の柔(やわ)き嫩葉(わはば)はみ眼にして花よりもなほや白う匂はむ』鑑真和上像がある開山堂を背に立っています。

北原白秋歌碑を越えると、ここが本願殿の入口です。

画像
ここは表門から出入りできなくなっています。

お堂の正面に回ると、そこにはガラス越しに鑑真和上像の御身代わり模像が安置されてました。お堂の写真を撮ろうと思いましたが撮影禁止でした。摸造だし期待してたんですけど、残念です。鑑真和上像は教科書に載ってたイメージが強いですね。

画像
こちらが正面です。その前に松尾芭蕉歌碑がありました。1688年(貞享5年)に唐招提寺を訪れた松尾芭蕉は、鑑真和上像に対面し、詠んだ句です。『若葉して御目(おんめ)の雫拭はばや』意味は何となく分かりますが基本はこれかなぁ。

次ぎに講堂(国宝)を見に行きました。

画像
ここの前が工事中だったのが、残念でした。

平城宮の東朝集殿を移築した建物で、現存唯一の奈良時代の宮廷建築です。講堂は僧侶の学習の場であることから、伽藍の造営では真っ先に着手され鑑真在世中には建立されてたと考えられています。本尊は、弥勒如来坐像(重要文化財)で堂内の須弥壇の中央に座してました。

その前にあったのが鐘楼です。特に詳細は分からなかったです。

画像

最後の最後、金堂を見てここを出ることにしました。素晴らしい奈良時代の建築物を目に焼き付けるためです。

画像
もう時計の入り16時になってました。拝観者も少なくなってきて、夕陽で木々の影も傾き、少し暗くなりつつありました。

集合は16時10分でした。預けていた朱印帳を受け取り、売店でポストカードを購入し、ここを出ました。すごく名残惜しかったです。ツアーのため時間が限られているのは分かってますが、新宝蔵や戒壇を見る時間が無かったので・・・。それでも初めての唐招提寺には大満足です

画像
駐車場前から南大門を見ています。ここの前の道も狭くて・・・それでも交通量は多いみたいです。

駐車場に売店があったので、会社の同僚に奈良の土産を買って帰りました。バスガイドさんも買い物されてたので安心です。

画像
ふと、南を見ると・・・薬師寺の西塔と東塔はカバーですが、見えています。写真を撮ると、何処かわからないですね。肉眼でははっきりと分かりました。

またまた、バスに乗り込むのは最後になってしまいましたが、まだ時間前です。バスは予定どおり16時10分に唐招提寺の駐車場を出発しました。

バスは暫く北上しますが、阪奈道路を右折し車窓から平城宮跡の朱雀門を見学てす。バスガイドさんの話で、入園料は無料ですが、閉門の16時30分になると1分1秒も待たずに閉められるそうです。さすがに役所です

そしてイトーヨーカドー奈良店の前を通りました。ここは以前そごう百貨店だった頃、中に美術館があって見に来たことがありました。その時に感じた疑問が今日・・・バスガイドさんの説明で解けました。普通・・・デパートには地下がありますよね。デパ地下です。そごう奈良店も地下を造りたかったようですが、建築工事中の発掘調査で、平城宮跡の遺跡が出てきたので、地下は造れなかったみたいです。そんな話に感心していると16時30分にJR奈良駅にバスが着いて、数名降りられました。そして16時35分に近鉄奈良駅に着つきました。正直、疲れましたが大変楽しい興味深いツアーでした。

【唐招提寺 鑑真和上御廟】



この記事へのトラックバック