一乗谷朝倉氏遺跡の庭園を巡る【前編】

一乗谷朝倉氏遺跡の復原された町並を出て、朝倉館跡庭園群を回ります。先ずは一乗谷で最も規模の大きい諏訪館跡庭園に向かいます。

朝倉孝景がこの地に築城したのが1471年(文明3年)で、以後北陸の雄として一大勢力を築きました。当時、応仁の乱から逃れてきた公家や文化人が華やかな京文化を伝え、一乗谷は一大文化圏を形成します。朝倉氏は4代孝景から5代義景の時代に絶頂期を迎え、将軍職を狙う足利義昭を一時期保護し迎え入れます。上洛を目指す義昭は、腰の重い義景に見切りをつけ信長のもとに行き上洛を果たします。義景は戦上手と言えなかったようで、また、遊興に耽ったことで家臣の心が離反し、家運が傾く結果となりました。そして敵対関係となった足利義昭を滅ぼした織田信長は越前に侵攻。1573年(天正元年)一乗谷を焼き討ちし、その火は3日3晩消えることなく燃え続け、ここに5代100年続いた朝倉家の繁栄は、灰燼に帰しました。

先ずは県道を横切り一乗寺川に架かる諏訪館橋を渡ります。ここに来るまでに地図は頭に入れてますが、私のシュミレーションでは北入口からを覚えてきました。

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そこで南入口の係の人に地図を確認した訳です。タクシーの運転手さんは「スニーカーなら、泥で濡れるかも」と言われましたが、幸い雨は上がりました。

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整備された遊歩道を山側に進んで行きます。ところどころで咲いてる彼岸花も雨に濡れています。寒さを心配してましたが、京都よりは涼しいですが、上着は要らなかったです。

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事前にこの階段のことは聞きました。ただどれだけ登るのか不安でしたが、たいしたことは無かったです。しんどくなる前に登り切りました。所要時間は、北入口から3分でした。

登り切ると目の前に諏訪館跡庭園を目にします。しかし、何故こんな山深いところに庭園があるのか思ってしまいますよね。

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諏訪館は、義景の側室・子少将(こしょうしょう)のため造らせた一乗谷でもっとも規模の大きい回遊式林泉庭園。上下2段からなってて、上段には滝石組みと湧泉石組を備え、下段の滝添石は高さ4.13㍍で日本最大。石組は型どおりに据えられ、当時の庭園形式を伝えています。構成が形式的なため、専門の庭師による作庭と推定されます。

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嗣子を毒殺された義景が溺愛した子少将のために、どこより豪華に造らせた庭園なんですね。やがて男子愛王丸も誕生しますが、義景が戦に敗れ妻子とも殺されたと言われています。戦国時代の夢の跡を見るように、今はひっそりと静かに時間が過ぎてました。

次の庭園に向かうにも迷う心配はありません。案内がありました。それより誰とも出会いません。あの団体は次ぎへと向かわれたのでしょうか

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次は庭園ではありません。中の御殿跡に向かいます。と言うか直ぐ隣にありました。タクシーの運転手さんが心配されてた泥泥ではありませんが、やっぱり下が滑るので注意して歩きました。

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ここて案内を見て、中の御殿跡に入らず、山側に少し登ります。かなり濡れてるので、滑る滑る

どれくらい登るのか大変心配しましたが、少しだけで済みました。そこには展望台があると書いてあったんです。

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眼下に中の御殿跡がある芝生を見て、少し遠くに復原町並が見えています。ここからは北入口付近にあった武家屋敷がハッキリ見えてました。ここまで知らず知らず登って来たようです。

そして再び足元に注意しながら戻って、南門から中の御殿跡に入りました。ここからは青々とした芝生の上を歩きます。この芝生が、ここを出たとき困ったことになりました。

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義景の母、高徳院の居館があったと言われ、屋敷の礎石や池跡が残っています。山麓を削りだして造った屋敷跡で、土塁に囲まれ、山側には2㍍の空濠もあります。

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庭園はありませんが、かなり大きな屋敷であったこてが推定されます。建物は推定の域を超えませんが、京の都のような雅な雰囲気があったのでしょう。

芝生の上を、ウロウロしたら大失敗に気が付きました。芝生が雨に濡れてて・・・かなりの水分を含んでました。そこを歩いたために、靴がベトベトになってしまいました。要するに水たまりの中を歩いたのと一緒・・・靴下まで濡れてしまいました

次ぎに向かう庭園の間には空堀があって、どうやら橋を渡るようです。そしてようやく向から一人来られました。そして遠くに・・・どこかで聞いた声が・・・あの団体さん

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このを渡って来られました。その人を待って私らも渡るとその先に・・・。この橋で擦れ違うのは恐いです

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決死の覚悟でで橋の上から撮った写真が下です。空堀と遠くに復原町並が見えてました。ただじっくり観察するほど度胸はありませんでしたが

ここから余談です。ソフトバンクのCMでお馴染みの白戸家のお父さん・・・白い犬・・・あのお父さんの出身が一乗谷(実家は老舗旅館)と言う設定で、CMが放送されました。この一乗谷でロケされたようでご覧になった方も多いのでは先程訪れた復原町並でも「ここで撮影されました」とポスターが貼ってありました

それでは、次の庭園から後編に続きます。

【一乗谷朝倉氏遺跡 諏訪館跡庭園】



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