「島の弁天さん」として親しまれてる伏見 長建寺へ

10月7日(金)は、この日しか公開されない京都浄土宗寺院 特別大公開の寺院があったので、伏見を散策しました。

先ずは京都駅から近鉄に乗って「丹波橋駅」まで急行に乗ります。そこで京阪電鉄「丹波橋駅」に乗換え特急で「中書島駅」で降りました。

「中書島」は、文字通り“島”だった所ですが、今は埋め立てられた以前のお目影は全くありません。伏見桃山時代に、“賤ヶ岳の七本槍”で活躍した脇坂安治が、宇治川支流の島に、下屋敷を構えました。当時、脇坂安治の官位は「中務少輔」で、人々から「中書(ちゅうじょう)さま」と呼ばれたため、その一帯を「中書島」と呼ばれるようになったと言われています。

以前、脇坂安治の菩提寺である妙心寺塔頭 隣華院に行きました。“輪違い”の家紋の瓦など、長谷川等伯襖絵や狩野永岳の障壁画など見せてもらいました。

その「中書島駅」から歩いて5分程度で、この日最初の訪問地である長建寺に着きました。ここには5月に来る予定でした・・・。

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平成28年度 春期京都非公開文化財特別公開(4月29日~5月8日)に、ここが公開されました。御本尊秘仏八臂辨才天像宇賀神将像飯綱 大権現像が公開されるとあって、5月6日に行く予定にしていたところ・・・体調崩して・・・入院してしまったので行けず。今日はリベンジの旅も兼ねてます

この日は天気が良すぎです。計画をたてるとほぼ雨になるんですが・・・珍しいですね、長建寺の表門は竜宮門になっており特徴があります。その門をくぐると左手に鐘楼がありました。

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江戸時代には行き交う人に時を知らせたと言う立派な鐘楼です。太平洋戦争時に梵鐘が供出されたそうで、長建寺の前の「三十石船」にも時を知らせてたのかも知れません。

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その鐘楼の裏にあったのが、摩利支尊天と飛龍大権現がひっそりと祀られていました。それにしても、この時期なのに・・・蚊が・・・多い。

初めて来ましたが、思ってたより境内は小さいです。門を入って石畳が真っ直ぐに伸びてて、多分正面が本堂でしょう、そちらに向かいます。

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赤い幟に「辨財天」の文字が・・・。この長建寺は「島の弁天さん」と呼ばれてるそうで、京都で御本尊が弁財天という寺はここしかないそうです。

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前途した春季非公開寺院特別公開では、ここから堂内に入れたのでしょう。残念ながら今日は開いてません。毎年、正月の1月1日~15日まで、堂内の宇賀神将像が公開され、拝観料1000円で入れるみたいです。

1699年(元禄12年)伏見奉行建部内匠頭政宇(たけべたくみのかみまさのき)が中書島を開発するに際して、深草大亀谷の即成就院(そくじょうじゅいん)から塔頭の多聞院(たもんいん)を当地に移し八臂辨才天像を本尊として祀り創建されました。

本堂の左前に、手洗石がありますが、これは前途した即成院塔頭の多門院から移されたものです。ここの水は閼伽水(あかすい)と呼ばれ、良質な水が湧き出ています。

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酒どころである伏見は昔、「伏水」と書きました。ここの井戸は、良質な水が湧き出てる水脈と同じだそうで、さすがに伏見ですよね。

その側にあった灯籠を辨天型灯籠と言い、伏見奉行・建部内匠頭政宇が1699年(元禄12年)12月に奉納したものです。

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伏見奉行に着任してすぐに奉納されています。同じく御香宮や藤森神社にも奉納されているので、奉行の伏見での意気込みが伝わります。

お参りを済ませたら、次は朱印です。見た所寺務所はなさそう・・・と思ったら見つけました。書き置きを・・・。

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ご丁寧に「朱印は、これだけです。1枚300円を箱に入れ、呼鈴は押さないように」と書いてありました。由緒書きはありませんでした。

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最後に、賓頭盧尊像を撫でました。釈迦如来の弟子で十六羅漢の一人だと伝わっています。この像を掌で撫でて病気平癒を祈願する習慣が庶民に広まりました。

次ぎに境内の右手に移動します。するとそこには、広くなった芝生と護摩場がありました。

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右から水天。十二天のうち八方天の一尊で、西方の守護神であったことから、水の神、河の神となる。次が厄除開運不動明王。左側に青面金剛。江戸時代に流行した民間信仰の一尊。

その対面にあるのが福寿稲荷社です。多分稲荷大明神が祀られるてるかと思います。

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ここには9時3分に入って、8分に出て行きました。外かだけのお参りだし、それに蚊も多いので早々に写真だけ撮って出て行った次第です。やっぱり特別拝観に来たかったですね、入院したので仕方なかったですけど・・・。

次の目的地に向かう途中、宇治川支流を見て行きます。ここから十石船が出ていますし、酒蔵も風情があって、ここからの風景は最高です

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向に見えているのが月桂冠大倉記念館です。2012年の3月に来てるので、3年振りに伏見を訪問したことになります。この日も十石船は運航されてましたが、時間の都合で今日は乗りません。まだ乗ったことがないので、必ず何時かは訪問したいです。

【長建寺】



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