「もしも猫展」京都文化博物館へ

10月4日(水)の京都市の最高気温は24.6℃と、104日振りに夏日から解放されました。ただ湿度が65%もあったので、涼しくは感じなくて蒸し暑さはありましたね。長袖を着ていくつもりが、やっぱり半袖で出掛けました。ちなみに最低気温は18.8℃でした。まだ寒いとは感じませんが、やっとやっと涼しくなったなぁ・・・が実感です。

つい最近まで北海道も暑かったのに、この日は旭川地方気象台が旭岳の初冠雪を観測発表しました。平年より9日遅く、昨年より1日早い観測で、ついに冬の便りが届きましたし、富士山山頂では氷点下0.8℃まで冷え込んだようです。なお、富士山山頂が氷点下になるのは6月30日以来のようですね。近い日に、初冠雪を観測するのも間違いなさそうです。例年なら7月、8月でも氷点下になるらしいけど、今年は9月も無かったと言うことは、富士山山頂も異常気象だったんですね。(追記、10月5日に初観戦を観測しました)

10月4日(水)は、壬生寺の壬生塚を見に行くつもりで、お昼に新しくプラス型の店舗をオープンされた「くら寿司 京都店」に行くつもりが、この日の朝の所用が少し長引き、壬生塚に向かうのは断念し、最近テレビ(よみうりテレビ)で紹介された京都文化博物館の特別展に急遽行くことにしました・・・と言うより二人通り考えてて、それで、所用が終わり次第、京都バスに乗りこみました。このバスは、10数年前まで通勤で利用していたので、車窓から見る風景は懐かしいものがありました。京都バスは、定刻より遅れて烏丸御池に着きました。そこから御池通りを渡り、京都文化博物館に向かったわけです。東洞院通りを南に歩くと三条通りに出ます。そこはレトロ建築を多く目にします。目的地の京都文化博物館もレトロ建築で知られています。

IMG_8265.jpgここの開館時間は10時でしたが、10時16分に着きました。目的は、看板にあるように「もしも猫展」を見に来ました。

IMG_8267.jpg展覧会は別館でされてますが、「本館」から入りました。

IMG_8268.jpgIMG_8269.jpgこのレトロな雰囲気を味わうために本館を通りました。京都文化博物館は、重要文化財に指定されており、明治の名建築・旧日本銀行京都支店が、今は博物館になっています。

IMG_8270.jpg本館から別館に向かいます。

IMG_8271.jpg会場は4階ですが、1階でチケットを買います。1600円でした。チケットを持ってエレベーターに乗り4階へ。

IMG_8272.jpgIMG_8273.jpgこの展覧会は、珍しく写真撮影OKでした。たくさん写真は撮りましたが、厳選してアップします😊。

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歌川国芳の作品を中心として、猫が人になっていたり、人が猫になっていたり、ユーモラスでちょっと不思議な江戸時代の浮世絵が135点集まります。馬が人になっていたり、ニワトリが人になっていたり、そして亀までも!!!

IMG_8274.jpg序章 猫を描く人」から。外国人の方を含め、多くの方が来られてました。テレビで紹介されたからでしょう。

IMG_8275.jpgIMG_8277.jpgたとゑ尽の内」(歌川国芳)。1852年(嘉永5年)作。他1点ありました。

IMG_8280.jpg第一章 くらべてみる」。混んでいるので、空いている所から見ていきます。ここでは擬人化して描かれた作品の鑑賞です。

IMG_8282.jpg第二章 擬人化の効能」。ここでは擬人化世界の入口として、昔話や戯画、風刺画など、江戸時代から明治にかけての擬人化作品を紹介。

IMG_8294.jpg狂斎百狂 どふけ百万編」(河鍋暁斎)。中央の蛸が幕府、金鯱が尾張徳川家をあらわし、進まない尊皇攘夷を風刺したもの。

IMG_8296.jpg駒くらべ盤上太平棋」(歌川国芳)。もしも将棋の駒が本当に戦ったらと想像した図。この絵には躍動がありました。

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いさましき寅の世渡り」(二代歌川広重)。軍鶏鍋屋にやってきた虎、鍋をつつきながら酒を持って来いと女中猫に注文する姿を描いています。

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猫の鰹節渡り 釣狐」(歌川広重)。上の絵は、イベントを擬人化であらわした。「乱杭渡り」という軽業芸を猫のパロディにして描いています。下の絵は、狂言「釣狐」のパロディ。狐が仕掛けた罠に猟師がおびき寄せられています。

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猫鼠合戦 犬張り子・鼠おとし」(月岡芳年)。縁起ものの置物である犬張り子にまたがって猫軍を脅かす白鼠。本物の犬と早合点する猫軍の慌て振りが滑稽です。

IMG_8307.jpg道化獣の雨やどり」(歌川国芳)。ここでは雨宿りをする動物が描かれています。ちなみに右端で大八車を押すのは野次馬です。

IMG_8310.jpg鯰大尽の遊び」(不詳)。こちはら鯰の擬人化です。鯰が遊郭で豪遊しています。安政江戸地震の際に出版された風刺画です。

IMG_8318.jpg日本駄右エ門猫之古事」(歌川国芳)。猫耳の老婆は三代目尾上菊五郎だそうです。

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東海道五十三次之内 白須賀 猫塚」(歌川国貞(三代豊国))。白髪の間から大きな猫耳をのぞかせ、打掛を身にまとった老婆。実は化け猫役を演じる三代目尾上菊五郎を描いた役者絵です。

IMG_8324.jpg第三章 おこまものがたり」。おこまものがたり・・・何?でした。知らなかったです。案内によると・・・。

1842年(天保13年)、山東京山と歌川国芳によって、猫のおこまの一代記をあらわした合巻《ごうかん》(長編小説)『朧月《おぼろづき》猫《ねこ》の草紙《そうし》』が刊行され、人気をよびました。異類《いるい》(人にあらぬもの)の婚礼儀礼をつづった「嫁入物《よめいりもの》」の流れのなかに同書を位置づけながら、「おこまものがたり」の継承と広がりを明らかにしていきます。

IMG_8325.jpg兔の踊り」(四代歌川国政)。ここでは擬人化された兔が小唄に合わせて踊っています。実際には兔に踊らされている人間を皮肉ったものだそうです。

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新板ねこの温泉」(望斎秀月)。ここでは猫が温泉に入っています。猫は水が嫌いなにの・・・😊。お風呂に入って、着物を脱ぐ・・・可笑しい風刺画です。

IMG_8335.jpg開化因循興発鏡」(昇斎一景)。明治初期に書かれたもので、急速な社会変化を風刺してます、

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しん板猫の嫁入り」(歌川芳藤)。見合い、縁談のまとめ、結納、圓戒準備、婚礼、床入、出産、お宮参りと1コマずつ描いてあります。面白い絵で、いかにも猫の嫁入りです。

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しん板猫のはなし」(歌川国利)。「おこまものがたり」はおもちゃ絵にも進出しました。本作の主人公おたま、白猫と恋仲になるも洋犬に追われ別れ別れに。横恋慕されたあげく殺されかけたり、逃亡先の先輩猫にいじめられたりと散々な目にあうも、ようやく恋人と再会し、めでたし、めでたし。

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新板猫の温泉」(歌川芳藤)。先程もあった「猫のお湯」のおもちゃ絵。のれんの「又たび湯」は面白いですね。猫たちは酔っ払ってしまいます😊。

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流行猫の温泉」(歌川国利)。「おこまものがたり」の主たる読者層が女性であったためか、しおおかたは女湯が中心となっており、手ぬぐいを使う裸の猫たちは不思議と色っぽい。

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猫の運動尽くし」(小林幾英)。猫の運動会ですね。綱引きや旗とり、鬼ごっこなど。丘の向こうには「御国のためなり・・・」と、愛国主義の気配が漂う。

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新板階のりのづ」(小林幾英)。お正月の風習を猫で描いたもの。梯子の上でポーズを決めてる猫たちが描いてあります。案内には、梯子から仮に落ちても、猫なら軽々と着地するでしょうと😊。

IMG_8367.jpgこれで一周してきました。最初に案内されたのは、3階も展示場があるのでと聞いていたので、そちらに向かいます。

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階段で降りて、第二会場に行きました。こちらでも、ゆっくり見ていきます。

IMG_8372.jpg第四章 人、猫になる」から。ただ、写真を撮るのに疲れて来たのも事実です。ここから写真少なめです😊。

IMG_8375.jpgIMG_8376.jpg亀喜妙ゝ」(歌川国芳)。人面の亀が集う「奇妙」な絵。役者の似顔絵となっており、甲羅にはそれぞれの役者にまつわる紋がかくされています。

IMG_8378.jpg4階に比べ、随分人が少ないです😊。

IMG_8379.jpg次が「特集 おしゃべりな顔」です。

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(上)「将軍太郎良門蛙るの力あらそい亀喜妙ゝ」(歌川国芳)。1844年(弘化元年)作。(下)「肉芝道人蛙合戦」(歌川芳虎)。1864年(元治元年)作。

こちらは、歌川国芳と弟子の歌川芳虎の作品を見比べです。国芳は、平将門の遺児良門が蝦蟇の妖術で小石を数百の蛙に変え、蛙たちが戦う様子を滝夜刃姫とともに見物する様子を描いています。弟子の芳虎は、肉芝導入により良門が蝦蟇の妖術を授かるいう場面。

IMG_8380.jpg空いているので、こうして引いた写真も撮れました。ただ一つ一つ、写真を撮るのは疲れました😊。

IMG_8385.jpg最後が「第五章 国芳のままざし」です。

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流行猫の戯 梅が枝無間の真似」(歌川国芳)。遊女梅が枝が、手水鉢を柄杓で打つと小判が二階から降ってくるという芝居のパロディ。本来、石で作られている手水鉢が大きな蛸に、小判ではなく鰺の干物が降ってくるのは、猫ならではですね。

IMG_8390.jpgIMG_8391.jpg絵鏡台合かゝ身 猫」(歌川国芳)。複数のものを寄せ集め別の形を作る「寄せ絵」の一種。

IMG_8393.jpgこちらの作品は、「猫は文字にもなる」と題して、人文字ならぬ猫文字で表しています。左から「なまづ」(歌川国芳)、「たこ」(歌川国芳)、「かつを」(歌川国芳)と猫の当て字に。

IMG_8398.jpgIMG_8399.jpg3階の第二会場を出ると所に売店がありました。いろいろ見ましたが、何も買わずに外に出ましたね。

IMG_8400.jpg10時52分に、ここを出ました。出ると「紫式部」が。来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」は紫式部が主人公でした。関連あるのかなぁ?。

今日、バスの中からスマホで、次に行く「くら寿司 京都店」の座席予約を済ませてました。予約しなくても大丈夫とは思ったけど・・・。それで、11時から11時10分の間が空いていたので、押さえた次第です。ここの展示会で、少々ゆっくり見てしまって時間が切迫してしまいました・・・😂。

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