一休禅師開祖の名刹大徳寺 真珠菴「秋の特別公開」へ

9月24日(木)は、せっかく涼しくなったと思ったら、また最高気温が33.1℃(平年26.7℃)まで上がりました。朝は、涼しく最低気温は
21.1℃だったんですが。エアコンも夜寝るときに2時間程度、使いました。9月下旬で真夏日を記録した翌日の9月25日(金)の朝は23.5℃で、熱帯夜は復活しませんでしたが、またまた湿気が多いような、熱中症情報も厳重警戒が出されたほどです。

この日は、食事に行くのは決まっていましたが、私は通院日でした。その食事が11時からで、それにあわせて、秋の特別公開が始まった大徳寺塔頭 真珠菴に行くことにしました。理由は、何度か特別公開に行く機会はありましたが、今まで行けずじまいだったので、この特別公開をX(旧Twitter)で知ったときに、通院のあとに行くことにしたわけです。

IMG_5756.jpg車は「大徳寺駐車場」に9時48分に入れました。ここに来るのは1月17日(水)以来でしたが、車の出入口が変更になってました。

大徳寺は、東に向いた「総門」があって、旧大宮通りを北上し、その総門の前が駐車場の出入り口に変わってました。車を降りて、先ずはトイレに行きました。今から行く真珠菴にはトイレが無いからです😊。

IMG_5849.jpgIMG_5850.jpg9時53分に「総門」から境内に入りました。

IMG_5848.jpg事前に調べて真珠菴の位置は分かってましたが、境内図を見て再度確認です。

IMG_5846.jpg総門を入って最初に見るのは大徳寺の「三門」です。「金毛閣(きんもうかく)」とも呼ばれており高さは、17㍍もあります。そこで目にしたのは、この三門の前で記念写真を撮っている小学校の修学旅行生でした。

IMG_5845.jpg通常は、この三門内には入れません。修学旅行生の特典ですね。学生さんを撮るわけに行かないので、帰りに撮った写真です😊。

IMG_5844.jpgこの三門の西側を北上して行きます。小学生たちは三門をくぐらせて貰ってて、良いなぁ・・・が感想です。私は、一度も入ったことがありません。

IMG_5759.jpg次に「仏殿」がありますが、帰りにお参りします。次に「法堂」です。ここは1月17日(水)第58回「京の冬の旅」で堂内に入りました。

IMG_5760.jpgIMG_5761.jpg大徳寺「本坊」の横を北に向かって歩いて行きます。

IMG_5762.jpgこの先の突き当たりに非公開の「芳春院」があって、その手前に「芳春院 盆栽庭園」があります。今日、盆栽庭園は拝観できるようなことが総門に書いてありました。

IMG_5763.jpgここを東に進む突き当たりに、目的の真珠庵がありました。参考までに、手前には通常拝観している「大仙院」があります。

大仙院には、遠い昔に一度行きました。ここは拝観受付を済ませると写真撮影は禁止です。それで、今まで一度しか行ってません。それに、拝観を済ませると、しつこく商品を勧誘されたので、嫌な思いをしたのもあって、二度と行かなくなりました。今日ももちろん行きません。

IMG_5764.jpgIMG_5765.jpg初めてくぐる「山門」です。ここの拝観についての注意事項は頭に入れてきたので荷物は朱印帳だけです。

大徳寺塔頭 真珠菴は、永徳年間(1429~1441)に、一休禅師(宗純)を開祖として創建されたが、応仁の乱により焼失。1491年(延徳3年)堺の豪商尾和宗臨によって再建された。方丈は1638年(寛永15年)の建立で、内部の水墨画「山水図」、「花鳥図」は室町時代の曽我蛇足の作、障壁画「商山四皓図」、「蜆子猪頭図」は桃山時代の長谷川等伯の作といわれている。また、書院の「通僊院」は、正親町天皇の女御の化粧殿を移築したものといわれ、金森宗和好みの茶室「庭玉軒」が付属する。庭園は、国の史跡及び名勝に指定。方丈の東庭、南庭及び通僊院庭園があり、東庭は室町時代の作といわれ、石組みの配列から「七五三の庭」と呼ばれている。寺宝として、国宝の大燈国師墨蹟をはじめ、紙本着色苦行釈迦像、墨渓筆の紙本墨画達磨像など、多数の重要文化財を蔵している。また、境内には、茶道の祖村田珠光の墓がある。

せっかく涼しくなってきたと思ったら、この日は湿気が多くて蒸し蒸しさが復活してました。いつもなら水分を補給したいところ、車に置いてきたので、これが最後には堪える結果となりました。

IMG_5768.jpgIMG_5834.jpg山門をくぐると、次に「中門」があって、左手に「庫裏」があります。それを見ながら奥に進みます。

IMG_5832.jpgIMG_5769.jpgそして方丈の玄関にあたる「唐門」に拝観受付所がありました。

拝観料は2000円と割と高めに設定されています。事前に調べて知ってましたが、写真撮影について確認しました。それと荷物のことも。写真撮影はスマートフォン限定で、本堂襖絵と庭園はOKでした。以前は前面禁止だったので、それは良かったです。

IMG_5829.jpgIMG_5830.jpg10時ちょうどに上がりました。ここは9時30分拝観開始のため、先に入られた方がガイドさんの説明を受けています。写真は「方丈(本堂)」と「南庭」です。

IMG_5770a.jpg上がると、先ずは荷物を預けることになるので、朱印帳は先に納経所に出して置きます。そして、首から番号札の付いた「首掛けストラップ」を渡されるので、それが荷物を預けた番号となります。

IMG_5771.jpgIMG_5819.jpg最初に見るのは「方丈(本堂)」の襖絵です。ここでは10分おきにガイドさんが案内してくれるようですが、私は前の組の方と回ることにしました。

この方丈(本堂)には、一休禅師の教えを受けたの曽我蛇足や、桃山時代を代表する絵師長谷川等伯の描いた襖絵が遺されてましたが、蛇足作が約530年、等伯作が約400年もの歳月が経って痛みが激しく2015年(平成27年)から8年の年月をかけて修復作業に入られました。それを埋めるために、2018年(平成30年)に新たな襖絵を新調されることになりました。

IMG_5822.jpgこの奥に「仏間」があります。仏間は撮影禁止だそうですが、ほぼ真っ暗。微かにご本尊の一休禅師像が祀られているのが見えました。

IMG_5781.jpgIMG_5782.jpgIMG_5772.jpgIMG_5773.jpgこの「方丈(本堂)」の「室中」に描いたのが釣りバカ日誌の北見けんいちさんです。「楽園」とタイトルが付いた襖絵。

鹿児島県与論島に魅せられた北見氏が島民と過ごした情景。また、漫画の登場人物や実在の人物など北見氏の人生を彩った沢山の人々が描かれています。この絵には真珠菴の住職も描いてあるそうです。

後日、ご住職が語られたことで、実際にご住職と北見けんいちさんは、一緒に与論島に行かれたですね、島民と一緒に踊ったり歌ったり。この時の情景が襖絵に描かれたんですね😊。

仏間」は撮影できませんが、山口和也さんの「空花(くうか)」が描いてあります。ただ暗くて見えないです。

IMG_5787.jpgIMG_5789.jpgIMG_5790.jpg次は「檀那の間」に移動します。この特別公開では、作品の保護でしょう、常に襖は閉められています。ガイドさんが案内するときだけ開けられる訳。本当は、さっさと見て回りたいですが。

この作品は、「かろうじて生きている」とのタイトルで、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を制作したアニメ監督の山賀博之氏が描いたものです。山賀博之氏は新潟県出身。半年間、真珠菴に寄宿し描きました。荒れる日本海の右に戦闘機、左にはウミネコ、中心には己の心を映す窓の円が描いてあります。

IMG_5825.jpg一周して来て、ここだけ自分で開けました。ご覧のように障子は閉まっています。このあと、ガイドさんは方丈東庭の案内をされました。

IMG_5791.jpgIMG_5792.jpgIMG_5801.jpg方丈東庭は、「七五三の庭」と呼ばれており、国の名勝・史跡に指定されています。一休宗純に参禅した侘び茶の祖、村田珠光の作庭と伝わります。

この「七五三の庭」は、低い二重刈り込みの籬と縁との間の幅3㍍ばかりの苔の空間に、南から七・五・三と合わせて15個の石が配されていることから命名された。

IMG_5800.jpg次に方丈の裏手に行きます。そこは「衣鉢の間(えはつのま)」と呼ばれ室内に入ります。

IMG_5802.jpgIMG_5795.jpg襖絵は、日本画家の濱地創宗氏で、タイトルが「寒山拾得」。屏風は「四季耕作図」で、狩野興以筆と聞きました。狩野興以(かのうこうい)は、安土桃山時代から江戸時代の狩野派の絵師。

寒山拾得は、唐の時代、天台山の国清寺にいたとされる寒山と拾得という禅僧。寒山と拾得はいつも子供のように遊んび回ってて、その様子があまりにも風変わりだっため、寒山は文殊菩薩、拾得が普賢菩薩の化身とする説が生まれた。その遊んでいる様子が描かれている。

IMG_5804.jpgIMG_5826.jpgここには、ガラスケースの中に「一休禅師」の肖像画を見ることができました。京田辺市にある「酬恩庵 一休寺」でも見たような見てないような・・・😊。

IMG_5803.jpgIMG_5805.jpgこの井戸は、紫式部の「産湯の井戸」と案内では聞きました。また、その傍らには茶道の祖村田珠光遺愛の「手水鉢」が建っています。

次に、この先にある「書院 通僊院」つうせんいん)」(重文)に渡ります。案内人より、「この先より写真撮影は遠慮してください」とありました。

IMG_5828.jpg屋根だけ撮りました😊。この建物は、1638年(寛永15年)に正親町天皇(第106代天皇)の女御の化粧殿(けわいどの)を移築したもの。戦国時代の医師、御典医の半井瑞策が拝領し、真珠菴に寄進したもの。

入ると、この特別公開の目玉?「源氏物語図屏風」(左隻)(右隻)17世紀の作との案内がありました。「桐壺」(1帖)や「空蝉」(3帖)など計6帖の場面が描いてあります。樹木などに見られる筆触を生かした描法は狩野派的である一方、人物描写には土佐派的な要素も認められ、両者の画風を折衷したような町絵師特有の様式を見せてます。

その奥には附属する茶室庭玉軒」があります。茶道宗和流の祖である金森宗和(かなもりそうわ)好みと伝わる。二畳台目下座床の茶室で、蹲踞や刀掛け、飛石は屋内のようになっており内蹲踞を設えた珍しい造りです。これは雪深い飛驒高山の領主家に生まれた金森宗和の趣向によるもの。雪を避け水が凍らないようにするためです。

撮影禁止ですが、ここでも襖絵が見えられます。狩野元信筆「水墨山水図」「西湖図」、土佐光起筆「金碧花鳥図」を見せて貰いました。

IMG_5827.jpg再び、紫式部の「産湯の井戸」まで戻り、今度は奥に進みます。そして「大書院」に入りました。

IMG_5809.jpgIMG_5810.jpg私が行くと、障子を開けてくれました。ここの襖絵は伊野孝行作「オトナに一休さん」で、写真撮影もOKで撮らさせて貰いました。

NHKのEテレのアニメ「オトナの一休さん」の絵を担当したのが伊野孝行氏。この襖絵では、アニメ化された「オトナの一休さん」のテーマソングを気持ち良く歌う一休さんが描かれています。

カラオケマイクを持っている一休さんの姿を見ても誰も怒らない。普通なら、真珠菴の開祖のこと「けしからん うちの開祖に何してくれるんだ」となるのにね。でもみんなニッコリ笑って許せる😊。ユーモアこそがヒューマニズムの原点といえます。

IMG_5811.jpgそして、再び「方丈(本堂)」まで戻って来ました。この向かいで、朱印を直書きして貰える納経にあたります。

IMG_5812.jpgIMG_5813.jpgIMG_5814.jpg方丈の最後の部屋「礼の間」に入りました。ここも障子が閉まってて、まさか、ここに部屋があるとは・・・?。

ここの襖絵は、ゲーム「ファイナルファンタジー」のアートディレクターを務めた上国料勇氏の作品で「Purus Terrae浄土」。正面に観音菩薩、右に風神、左に雷神、左下に弁財天を描く。左の襖の中央に、不動明王(モデルはご住職とか)を、その下に吉祥天、左に荼枳尼天、右下に龍王が描いてあります。ガイドさんが丁寧に案内していただけました。

真珠菴のご本尊は、観音菩薩です。ご住職は、上国料 勇さんに、「未来の観音さんをお願いしたい」と。普段はパソコンで自分のイメージで全部作っていかれますが、この時は、リアリティを出すため、京都の女子大学性にモデルになって貰ったそうです。また観音菩薩の両脇に描かれている風神雷神のモデルは、EXILEの若手の世界さんと佐藤大輝さんで、現場に来て貰いここで踊って貰ったのを上国料 勇さんがスケッチや写真を撮られたようです。見たとおりの躍動感がある理由が分かりました😊。

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御朱印は、直書きの場合、帰りに受け取るシステムです。朱印帳が無ければ、書き置きも用意されてました。

御朱印を受取、荷物を受け取ります。ガイドさんの案内で一周しても良いし、独自で回っても良いけど、障子は閉まっているので、案内人に開けて貰う必要があります。

IMG_5831.jpg10時30分に靴を履いて出て行きました。拝観料が高めのため、空いてました。

IMG_5835.jpgIMG_5836.jpgアニメの襖絵、良かったです。初めて来ましたが、お堂も結構広くて、見応えありました。私は満足できました。

IMG_5837.jpg通常拝観している「大仙院」です。最初に述べたように、今日は入りませんし、二度と来ることはありません。

IMG_5839.jpgIMG_5840.jpgIMG_5841.jpgIMG_5842.jpg帰りに「仏殿」に寄ってお参りしました。仏殿の堂内は、こうしていつでも見られます。その仏殿の向かいが「三門」です。

IMG_5847.jpg帰りも「総門」から出ました。

IMG_5853.jpg時間無かったとげ、「一休こんぶ松田老舗」に寄って、昆布買いました😊。

IMG_5852.jpg大徳寺駐車場」は、出ていくときに精算です。9時48分~10時43分で、200円で済みました。
今回の公開では、17世紀の作品である『源氏物語図屏風』が初公開となる。真珠菴境内には紫式部の産湯として使用したと伝わる井戸が現存しており、紫式部ゆかりの地としても有名である。

今日は、前途したとおり、予約はしてませんが、食事に行きます。大徳寺駐車場を出て、次の目的地に向かいました。

この記事へのコメント

2024年10月28日 21:33
少しご無沙汰してました。
さすが大徳寺、立派な塔頭がたくさんありますね。
真珠菴は知りませんでしたが、一休禅師の開祖で紫式部の産湯があるといった、有名人ゆかりのお寺なんですか。それは惹かれますね。
『源氏物語図屏風』をはじめてとして、文化財や庭園も立派そのもの。
2000円は高いですが、その価値はありそうですね。
襖絵が現代の作家の作品が多いのも驚きです。
時代を超えた文化の融合が見れられて、開放的かつ魅力的だと思いました。
壬生里
2024年11月01日 19:23
ミクミティさんへコメントありがとうございます。

メールアドレスの変更を忘れてて、通知が来なかったので、気づきませんでした。返事が遅くなって申し訳ないです。

通常非公開の真珠菴は、時々特別公開されてましたが、山門から奥は撮影禁止でした。それが、今回から撮影が許可されたこともあって、行ってみることにしたわけです。
大徳寺塔頭の特別公開拝観料は、高いです。そう度々行けないです。聚光院もそうですし、最近行われた大徳寺特別公開もそうでした。
真珠庵の襖絵も、100年後には評価が変わるかもです。今は漫画ですが、招来は・・・?。