臨済宗相国寺派 大本山 萬年山相國承天禅寺(相国寺)「秋の特別拝観」へ

京都府立植物園を出て、地下鉄北山駅から予定していた電車の1本前に乗り、今出川駅で下車。そこから歩いて向かったのが臨済宗相国寺派 大本山 相国寺で、9月25日(木)から始まった「秋の特別公開」に行きました。この秋の特別公開も直近では、2019年(令和元年)11月21日(木)2021年(令和3年)12月8日(水)に来ています。

臨済宗相国寺派大本山。室町幕府3代将軍足利義満が後小松天皇(第100代天皇)の勅許を得て、当時花の御所と呼ばれた幕府の東側に創建された。寺名は、足利義満が左大臣の地位であったことから、中国名である「相国」、また天皇の勅許を賜ったことから萬年山相國承天禅寺と称した。足利義満は、相国寺の開山に春屋妙葩を請うたが、固辞されたため、師の夢窓疎石を勧請し開山とし、春屋妙葩は2世として入山した。伽藍は、1392年(明徳3年)に完成。当時、鎌倉・京都にあった臨済宗の五大寺、いわゆる五山は、寺の寺格を示すものであったが、相国寺の完成により、足利義満は京都五山を定めた。天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺と位寺を決め、相国寺を第2位にするとともに、南禅寺を五山の上とした。相国寺は、山内に禅宗寺院を統制管理する僧録司を置き、禅宗行政の中心的存在であったが、1394年(明徳5年)の失火で炎上、早速再建に着手するも、その後も相国寺は度々出火に見舞われ、幾度も諸堂を失いながら再建を繰り返す。現在は、12山内塔頭を抱えるほか、金閣寺、銀閣寺、真如寺の3ヵ寺を山外塔頭としている。

この日は、11時頃に用事があるため、京都府立植物園では時間が余るので、相国寺で開山堂の紅葉が見頃となったこともあって、来て見ました。紅葉の模様は後程😊。

IMG_9323.jpg地下鉄烏丸線今出川駅を1番出入口から地上に上がると、そこは烏丸通りです。イチョウの葉も黄色に色づいます。通りの両側には同志社大学があって、この通りは学生さん多いです。

IMG_9324.jpg上立売通りの信号を東に入ると相国寺の「西門」が見えます。

IMG_9325.jpg
12月15日(日)まで「秋の特別公開」されているので、この看板が出ていました。

IMG_9326.jpgまだ9時53分で、拝観時間の10時まで時間が余っていたので、相国寺境内の紅葉を見ていきます。

IMG_9408.jpg相国の「法堂」です。後程、堂内に入って「鳴き龍」を見せて貰います。

IMG_9328.jpgIMG_9329.jpgこの鐘楼・・・相国寺では「洪音楼」と言います。この周りの紅葉が綺麗なを知っていたので、先ずは寄ってみました。今回も綺麗に色づいています。

IMG_9327.jpgIMG_9330.jpg何度も来ているので、拝観入口に向かいました。左手に見えるのが前途した「法堂」です。

IMG_9333.jpgIMG_9334.jpg9時58分に拝観入口に着きました。そしたら少し待ったら受付を開始されました。

拝観料は800円ですが、相国寺ではシニア割引があります。65歳以上は700円で入れるので、今日は証明出来る物を持参してきました。ここ最近、京都の寺院では拝観料の値上がりがあって、年金暮らしのシニアに厳しい現状があるので、この施策は有難いです。

IMG_9340.jpgIMG_9335.jpg受付を済ませると、スリハッパに履き替え「法堂」に行くよう言われます。先にお参りを済ませるわけです。なお、堂内は撮影禁止です。

EPSON007_edited-1.jpg
こちらの写真は2019年(令和元年)11月21日(木)のコピペです😊。法堂に入ると、先ずは天井の「蟠龍図(狩野光信作)」“鳴き龍”の前で手を叩き、その反響音を聞きます。そしてご本尊の釈迦三尊像にお参りし、天井の眼を見ながらほぼ一周します。そして案内は聞かずに出てきました。

法堂1605年(慶長10年)に豊臣秀頼が再建したもので、現存最古かつ最大級の法堂建築。「無畏堂(むいどう)」とも呼ばれる。内部の須弥壇に、本尊の釈迦如来坐像を迦葉尊者と阿難尊者を脇侍として祀られている。天井には狩野光信筆の「蟠龍図」が描かれ、「鳴き龍」として知られる。

IMG_9341.jpgIMG_9342.jpg法堂から戻って来たら、次に「方丈」に上がります。なお、方丈内は撮影禁止です。

現在の方丈は、1807年(文化4年)の再建。方丈南側の「室中の間」には、遠塵齋(えんじんさい)加藤信清筆の「観音菩薩画像」が掛かかる。これは「法華経」の経文によって描かれたもので、近づくと線の1本1本を文字で巧みに連られたもの。

IMG_9343.jpgIMG_9345.jpgIMG_9346.jpgIMG_9349.jpg方丈に上がって「表方丈庭園」を撮りました。特別拝観でもガイドさんの説明はありません。

表方丈の庭は、白砂敷きの枯山水庭園で、禅の境地「無」を表現していると言われている。単調な造りながら、白砂は太陽の反射を利用して室内を明るくし、また法堂の姿を立派に浮き立たせる効果もある。

IMG_9348.jpg方丈西側の奥にある杉戸絵は、原在中筆の「白象図」(複製)です。この左側から裏手に回ります。

IMG_9350.jpg「方丈」西側に出ました。表方丈庭園と違い、ここから苔生した庭園へと変わります。

IMG_9351.jpgIMG_9352.jpg表方丈庭園には何も無かったですが、一転綺麗な紅葉を目にすることができました。

IMG_9353.jpgIMG_9357.jpgIMG_9358.jpgIMG_9359.jpgIMG_9363.jpgIMG_9374.jpg方丈の裏手に出て、「裏方丈庭園」(京都市指定名勝)を撮りました。表の庭園と対象的な庭園となっています。

表方丈庭園とは対象的に、手前を谷川に見立てて掘り下げ、対岸には築山を設け、市中にいながら深山函谷の雰囲気を感じさせる庭であり、悟りの内容の豊かさを表現している。


IMG_9354.jpg次に室内を見ています。方丈裏には3部屋あって、西から東へとみていきます。

裏方丈の西側の室は、「聴呼(ちょうきょ)の間」と呼ばれ、襖絵は原在中筆の「仙人の図」1819年(文政2年)作。住職が、その日の予定などを告報するために使用する部屋。襖には、中国の道教思想をもとにした、仙人が描かれている。

中央の室が「御所移しの間」で、襖絵が土佐派の土佐光起筆、「吉野山 桜の図」。御所の清涼殿より拝領した襖絵は、山々のまろみ、桜や檜の優しさが見事に表現された絵のようです。作者は、江戸時代の初期に土佐派を復興した土佐光起と伝わります。また、通称「長棒駕籠」の展示もあります。相国寺歴代住持専用の高級仕様だそうです。住持は御所へ参内したときに使用されたとも伝わります。

琴棋書画(きんきしょうが)の間」で、襖絵は原在中筆、「琴棋書画の図」1819年(文政2年)の作。中国文人のあいだで士君子(学問に通じ徳の高い人)の教養、嗜みとされる琴棋書画は、風流韻事(ふうりゅういんじ)の代表とされていた。琴棋書画とは、中国琴(古琴)、囲碁、書道、絵画のことだそうです。 

IMG_9370.jpg方丈裏にも「杉戸絵」がありますが、こちらの情報はありません。

IMG_9377.jpgIMG_9376.jpg方丈と庫裏の間にも「中庭」があります。庫裏は非公開のため、ここから拝観入口に戻ります。

IMG_9378.jpgIMG_9379.jpg10時12分に「方丈」を出ました。次に向かいの「開山堂」に行くように案内され向かいます。

EPSON329.jpg
「授与所」に寄って、いただいた御朱印は、臨済宗相国寺派第七代管長(相国寺132世)である有馬頼底氏の筆によるもの。有馬管長は、相国寺・金閣寺・銀閣寺の住職でもあります。今年91歳ですね。

IMG_9332.jpg開山堂」の入口で、拝観券を見せます。そして上がりますが、ここではスリッパも下駄箱もありません。堂内は撮影禁止とも案内されました。

開山堂は、相国寺勧請開山の夢窓疎石(夢窓国師)の木像を正面中央最奥に安置しているお堂で、特にその箇所を開山塔(円明塔)または祠堂とも呼び、師弟のつながり重んじる禅宗では、境内で最も神聖かつ大切な場所である。14世紀後半に創建され、元は崇寿院と称したが、数回の火災、戦禍により焼失。現在の建物は、1807(文化4年)に桃園天皇皇后の恭礼門院の黒御殿を拝領して移築し開山堂に改めたもので、入母屋造り、前に広縁、三方に落緑をもち、高欄を備え、内部と共に御殿の様式を今にとどめている。夢窓国師像前面左右には脇壇があり、西壇には右から無学祖元禅師(仏光国師)、高峰顕日禅師(仏光国師)、春屋妙葩禅師(普明国師)の各祖師像と相国寺開基てある足利義満像を、東壇には相国寺の創建や再建に功績があった後小松天皇(北朝第6代天皇)、後水尾天皇(第108代天皇)の位牌や桂宮歴代像などを安置している。内部には円山応挙の襖絵もある。2007年(平成19年)に、京都府指定文化財に登録された。

IMG_9380.jpg上がると左手に白砂だけのシンプル庭園が。上がると寺の方より円山応挙の襖絵を見るように案内されました。

IMG_9381.jpgこれが目当てで来たんですが、真っ赤に色づいた紅葉が、そこにありました。

開山堂の前庭は、手前が白砂敷きの枯山水、奥部が軽くなだらかな苔地築山で、奇岩を配し樹木が植えられており、その巧みな調和の美しさが特徴である。このような二様の庭が一体となっているのは、禅宗寺院では珍しい。また、庭の水路は「龍淵水(りゅうえんすい)」と呼ばれており、創建当時は相国寺境内の水路「碧玉溝(へきぎょくこう)」に通じて鴨川の水を後用水として皇居に流していた。この「龍淵水」は「相国寺十境」に数えられている。

IMG_9384.jpgIMG_9385.jpgIMG_9387.jpg入口で「紅葉綺麗ですね」と言うと、「ここのは見頃が短くて直ぐに散ってしまう」と寺の方が言ってました。良いときに来たかと思います😊。

IMG_9394.jpgこのあとお参りしました。「夢窓国師像」は、広縁からは遠いです。幸い視力が良いので、充分見えました😊。

IMG_9397.jpgIMG_9403.jpgIMG_9404.jpgIMG_9405.jpgIMG_9396.jpg開山堂前庭の前方から太陽の光が差し込んで、眩しいこと眩しいこと。せっかく紅葉が綺麗なのに、少し残念ですね。

EPSON330.jpg

IMG_9409.jpg帰りも地下鉄を利用します。地下鉄烏丸線今出川駅まで戻る途中の「宝塔」です。境内では、こちらの周りの紅葉も綺麗でした。

IMG_9410.jpg10時35分頃の地下鉄に乗れたので、予定どおり11時頃の所用には間に合いました。

今年の紅葉が遅れてて、この日でやっと京都府立植物園の紅葉が見頃となるほどです。これから何箇所か紅葉巡りに行く予定ですが、混雑が苦手で空いているところを探そうかなぁと😊。

この記事へのコメント