洛西の黄檗建築と紅葉の参道 葉室山 浄住寺「秋の特別公開」へ

地蔵院 竹の寺を9時23分に出て、今日の目的地である「秋の特別公開」されている紅葉の名所で、あまり知られてない寺院に向かいました。その寺院は、2017年(平成29年)11月21日(火)に紅葉を見に行ってます。

その寺院は、洛西にある黄檗宗の末寺で、「紅葉のトンネル」が見所の、葉室山 浄住寺で、前途したとおり久しぶりに行ってみることにしました。

IMG_0281.jpg地蔵院 竹の寺を出て、まっすぐ南に歩いて行きます。道幅が狭いので、安全を考慮して鈴虫寺の駐車場に車を止めて、徒歩8分をかけて歩いて来た訳です。

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遠くから見て、門前で並ばれているのは分かりました。空いていたら良いのにと思って歩いてましたが、やっぱりこのポスターを見れば行くでしょう😊。

この写真のように、ここは散りモミジの方が綺麗だと思って、私は、最終日に近いこの日を選んで来た訳です。ただ、紅葉は今頃が見頃となりました。例年より10日ほど遅い紅葉となったので仕方ないですね。

葉室山浄住寺は、810年(弘仁元年)に、嵯峨天皇(第52代天皇)の勅願寺として開創された古刹で、開山は第3世天台座主の滋覚大師円仁(えんじん)で天台宗寺院として開創したと伝わる。弘長年間(1261~1263)に、藤原家の流れを汲む公家の葉室定嗣(はむろさだつぐ)が奈良の西大寺の僧叡尊(えいそん)を請じて再建し、以降有力な真言律宗の寺院として栄えた。南北朝時代以後、度重なる兵火により荒廃、1689年(元禄2年)に黄檗宗の僧である鉄牛(てつぎゅう)禅師を中興開山として再興され、黄檗宗寺院となり現在に至る。伝承では、インドにて釈迦がお亡くなりになった時、お釈迦様の歯を一本「捷疾鬼(しようしつき」が盗み、それを足の速い「韋駄天」が奪い返し、更に律宗の祖である中国の道宣律師(どうせんりっし)に渡り、やがて日本へ運ばれ嵯峨天皇のもとに献上。その歯は、鉄牛禅師の舎利(骨)とともに寿塔内の遺骨並びに、釈迦の歯が石窟の中に納められ、その上に現在は巨石が置かれてる。

IMG_0167.jpg9時27分頃に並びました。ざっと10名ぐらいでしょうか、その並んでいる間に撮った写真です。紅葉綺麗に色づいています。

IMG_0168.jpg並んでいる間に、スタッフの方から「釣り銭がでないように」と呼びかけられてました。私は拝観料800円は用意してました。

IMG_0170.jpg9時30分に受付開始され、私はが境内に入れたのが9時32分。前方には人が一杯です😊。

IMG_0171.jpgIMG_0173.jpgポスターの写真は、ここから撮られたのでしょう、ただ今は紅葉が見頃で、散りモミジには、ほど遠いなぁが感想です。

IMG_0175.jpg境内を入って、次に石段を登り突き当たりの「本堂」に向かいます。

IMG_0178.jpgIMG_0181.jpgIMG_0182.jpgIMG_0183.jpgIMG_0187.jpg先に入られた方が「本堂」に行かれたので、遠くから見て混んでるように思えました。すると石段の右手に書院へ抜ける参道を見つけたので、そちらに向かいます。

IMG_0189.jpg奥に進むと、2010年(平成22年)に「鉄牛禅師309回忌」に建立された石碑、「鉄牛禅師遺偈(ゆいげ)」がありました。

明々歴々(めいめいれきれき)」「歴々明々(れきれきめいめい)」「此是何物(これはこれなにものぞ)」「廻脱死生(はるかにししょうをだっす)」と書いてあります。

IMG_0191.jpgIMG_0194.jpg参道を上がりきると、ちょうど「方丈」への「玄関」前に出て来ました。

IMG_0196.jpg靴を下駄箱に入れ上がります。室内ではガイドさんがスタンバイされてました。

IMG_0197.jpgIMG_0219.jpg方丈に入ると誰も居ません。ガイドさんだけでした。先に入られた方は、ほぼ紅葉狙いなんでしょう。そしてガイドさんに勧められのがリフレクション撮影でした。

IMG_0209.jpgIMG_0203.jpg紅葉が少ないので、リフレクション撮影はこんなもんです。テーブルが小さかったですね😊。

IMG_0223.jpg次に案内されたのが「上段の間」のカラクリです。

IMG_0206.jpgIMG_0208.jpgこの「上段の間」の右手にある「掛け軸」、その裏の穴が開いているのを説明して貰いました。

この方丈は、仙台藩4代藩主伊達綱村(だてつなむら)が幼少期を過ごした屋敷を寄進され、移築したものです。それで江戸時代の武家屋敷遺構で上段の間があるみたいです。1671年(寛文11年)の「伊達騒動」で、幼い綱村が命を狙われることもあって、このような「武者隠し」が設けられたのでしょう。

IMG_0211.jpgIMG_0198.jpg敷居に架かっている、この文字は、「清浄観(しょうじょかん)」と書かれています。「何事にもとらわれない清らかな心」観音経にある五観のひとつだそうです。

IMG_0205.jpgこの先に「納経所」があって、あとで書き置きの御朱印をいただきました。

IMG_0219.jpgIMG_0200.jpgこの掛け軸は「馬郎婦観音」で作者は不明です。慈悲の象徴であり良縁成就、家族安寧の願いを叶えてくださるとされています。

IMG_0213.jpgIMG_0212.jpgIMG_0218.jpgこの庭園の名前を聞くと、特に無いそうです。由緒書には池庭方丈南庭」と書かれてました。

IMG_0220.jpgIMG_0214.jpgこの杉戸絵は「林和靖(りんなせい)」。中国・北宋時代の詩人だそうで、西湖の弧山に廬を結び梅を妻、鶴を子供に見立て愛し、生涯独身で過ごしたと言う。

IMG_0221.jpgIMG_0226.jpgこの方丈に祀られていた「木根観音」です。開山の鉄牛禅師が長崎で入手し、生涯大切にしていたとされる観音像だそうです。こちらの御朱印もありました。

IMG_0229.jpgIMG_0233.jpg驚くほど、誰も来られ無い方丈内をゆっくり散策させて貰いました。やっと2組の方が来られたので、私は出て行き本堂に向かいます。

IMG_0230.jpg本堂と方丈は回廊でつながれています。その回廊には時を告げるための「魚椰(開椰)」や「雲版」が吊るされているのが見えました。

IMG_0234.jpgIMG_0235.jpgIMG_0236.jpgこちらの「本堂」は、東向きに建っています。堂内ではガイドさんが案内されてました。扁額は、鉄牛禅師筆「祝國」と書いてあります。

IMG_0238.jpg本堂の中央に祀られているのが本尊「釈迦牟尼佛坐仏像」で、衣と帯を締めた中国式となっています。近年修復したと書かれてました。

IMG_0240.jpg本堂向かって右手に祀られているのが、左から律宗時代の仏像である「阿弥陀如来立像」、「伽藍菩薩」、江戸時代に黄檗宗寺院として再興した「葉室頼孝卿坐像」です。

ガイドさんが案内中の左手には「達磨大師像」、「古伽藍本尊像」、「出山の釈迦如来像」が祀られていました。そして、本堂のさらに奥に進みます。

IMG_0244.jpg位牌をお祀りする「祠堂」。中興開山である「鉄牛禅師像」が祀られている「開山堂」が並んでいます。そして開山堂のさらに奥には白壁の「寿塔」があるそうですが非公開です。このなかに前途した鉄牛禅師の舎利(遺骨)が安置されています。

IMG_0245.jpg堂内でお参りさせて貰い、ガイドさんの話しは聞かずに出て行きました。

IMG_0247.jpgIMG_0248.jpgこちらは「観音堂」で、右から「薬師如来像」、「聖観音像」、「大日如来像」が安置されてるようです。

IMG_0251.jpgIMG_0237.jpg帰りも、この石段を下ります。紅葉スポットだけに、いつでもここは混んでます😊。

IMG_0252.jpgIMG_0253.jpgIMG_0255.jpg石段を下って行き、振り返ると人が居ないかったので、「本堂」と紅葉をセットで撮れました。

IMG_0258.jpgIMG_0261.jpgIMG_0262.jpgIMG_0263.jpg石段を下りながら綺麗な紅葉が撮れました。そして左手に「四方竹」と書かれた案内が出ていたので寄って行きます。

IMG_0264.jpgここには、孟宗竹の変異種という「亀甲竹」や「四方竹」など珍しい竹が植えられているみたいで、ざっと見て出ました。

IMG_0266.jpgIMG_0267.jpgIMG_0269.jpgIMG_0270.jpgIMG_0271.jpgIMG_0272.jpgIMG_0273.jpgこのとき、10時00分でしたが、偶然空きました。ただ一瞬でしたが。

IMG_0274.jpgIMG_0276.jpgIMG_0278.jpgここを出たのが10時でしたが、多くの方が来られてました。ただ私が思ってたほどじゃ無かったです。

ここから車を停めている駐車場まで戻る途中に、「地蔵院 竹の寺」の前を通りました。浄住寺より多くの人が入って行かれました。鈴虫寺の拝観から来られたのでしょう。この日は冷え込んだので、来週半ばには散りモミジが見頃になっているかもです😊。なお、最高気温は14.2℃まで上がりました。

この記事へのコメント

2025年01月17日 21:17
今晩は。葉室山 浄住寺では、綺麗な紅葉が見られましたね。参道から
建物周辺も、鮮やかに染まって、天気も良く、これ以上ない散策だった
かと思います。散紅葉も始まっているようですね~。人がちらっと
入るのも自然な感じでよいかと思いました。紅葉散策は終盤になりますか?
 
壬生里
2025年01月20日 04:51
健さんへコメントありがとうございます。

ここの紅葉が見事で行ってみたんですが、今年の紅葉が遅れてて、お目当ての散りモミジではなく、今が見頃の紅葉が見られました。

散りモミジを見るだけなら、特別拝観終了後も見られます。ただ堂内には入れないだけです。
多くの方が、散りモミジの写真をSNSにあげられてました。
私は行きませんでしたが。