国の名勝に指定されている對龍山荘庭園へ

南禅寺の方丈を拝観し、次に向かったのが、南禅寺の別荘群の一つである對龍山荘でした。對龍山荘は南禅寺の塔頭跡地に伊集院兼常の別荘として造営されました。近代を代表する庭園としての形態を持ち、また景観的にも非常に優れた庭園として、1988年(昭和63年)には国の名勝に指定されています。

對龍山荘庭園には、二度来ています。2023年(令和5年)5月9日(火)に、京の美を訪ねる「對龍山荘特別公開講座」(NHK文化センター京都教室)と、2024年(令和6年)9月19日(木)に「ガイドつき完全入替制の庭園見学」でした。ともに、写真撮影は一部制限はありましたが撮れました。ただSNS等の投稿は固く禁止されてました。

これまで對龍山荘の拝観は非公開でしたが、現所有者である株式会社ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長の「広く多くの方々に對龍山荘を見ていただきたい」という熱意により、2024年(令和6年)9月末から庭園自由見学(建物見学・ガイドはありません)を始められました。チケット代金は2000円と写真集付きです。そして何より変わったのが、写真撮影及びSNS等の投稿を解禁されたことです。そして年が明けた2025年(令和7年)1月15日(水)から建物内も自由見学で公開されるようになりました。建物内も写真撮影及びSNS等の投稿もOKとされたのに驚きでした。建物内と庭園の拝観も2000円で写真集付きですが、季節料金を導入をされ、1月~3月19日までは2000円、3月20日~12月末は3000円です。私は、前途したとおり過去2回行っているので、2000円で入れる期間内の3月10日(月)に南禅寺の拝観のあとに行きました。

IMG_5455.jpgIMG_5615.jpg9時58分に對龍山荘り表門が見える所まで来ました。平日だし空いていると思い込んでましたが、甘かった・・・10名ぐらい行列してて、順に入って行かれました。

IMG_5614.jpg写真は帰りに撮ったものですが、この「表門」を入って、靴を袋に入れ上がった先に券売機があって、そこでチケットを購入するので、暫く門の前で待ちました。

IMG_5610.jpg内玄関」を上がって、この券売機でチケットを購入、2000円でした。そして受付で荷物を預けます。写真集は受け取ったので、私は鞄に入れ手ぶらで拝観します。

IMG_5603.jpg真っ先に「對龍台」に行きました。「對龍山荘特別公開講座」(NHK文化センター京都教室)では、ここで對龍山荘館長さんの話しを聞きました。

IMG_5605.jpg予想していたより人は多かったです。この欄間の手前が「次の間」、奥が「主室」です。

IMG_5456.jpgIMG_5597.jpg床の間の掛け軸は、橋本雅邦(はしもとがほう)筆「雲龍図」。橋本画伯は狩野派門下の絵師の子として生まれ、狩野雅信に入門。後に岡倉天心の日本美術創立に加わり横山大観ら後進を育成されたようです。

IMG_5599.jpgこの彫刻は、作者不詳の「木彫 九龍」です。九龍は中国の伝統的な神話に登場する九つの龍を表現しており、それぞれが異なる姿と表情を持っている。

IMG_5608.jpgIMG_5602.jpgこの奥の「南土蔵」に「ニトリ美術館」があって、美術品の展示がありました。写真を撮られている方も居ましたが、私は撮ってません。

この對龍台に人が多いので私は迷わず、ここから「聚遠亭(じゅおんてい)」に向かいました。

IMG_5458.jpgIMG_5459.jpg狙い通り誰も来てません。「聚遠亭(じゅおんてい)」は母屋にある座敷のひとで、伊集院時代に建てられたと思われてます。

IMG_5461.jpgIMG_5460.jpgこの「聚遠亭(じゅおんてい)」には「四畳半茶室」が併設されています。

IMG_5463.jpgIMG_5464.jpg小川のほとりに深い庇を差し出す聚遠亭は、床廻りに古材を用いた数寄屋造りとなっています。

IMG_5465.jpgIMG_5466.jpg次の奥にある「居間」に進むと、手間が「次の間」です。右から龍村平蔵作「御庭焼獅子袋帯」、龍村美術織物栄華清澄錦袋帯」、永田春水作「土佐源氏物語之図」、龍村平蔵作「有栖川鹿手袋帯」の展示がありました。

IMG_5469.jpg奥の「主室」にある床の間の展示物は「ビクター蓄音機」、「柿右衛門様式洋犬置物」、手前の村山明作「座卓」、後柏原天皇他「紙本墨書著到懐紙」、「大名櫓時計」。村山明氏は、重要無形文化財「木工芸」の保持者です。

IMG_5476.jpg南土蔵」まで行くと、ここにも「ニトリ美術館」がありました。對龍山荘特別公開講座」(NHK文化センター京都教室)でも入っているので、写真撮らずにあっさりと😊。

IMG_5474.jpgIMG_5475.jpgIMG_5478.jpgIMG_5479.jpgIMG_5480.jpgIMG_5481.jpg次に2階に上がります。階段は、一方通行で、こちらが登り専用です。

IMG_5482.jpg「聚遠亭」は誰も居ませんでしたが、2階には数名が上がってきてました。こちらは「円窓の間」とありました。

IMG_5483.jpgIMG_5504.jpg今日は天気が良かったので、この2階から金戒光明寺の「文殊塔」が見えました。

IMG_5497.jpgIMG_5499.jpg床の間の掛け軸は霊元天皇(第112代天皇)「宸翰 住吉詣切くちはて」。霊元天皇は、歌人・能書家としても知られ、「宸翰」は天皇自筆の文書を指す。

IMG_5506.jpg大きな「円窓」から庭園を見渡せます。まだ誰も庭園には降りてないようです。

IMG_5486.jpgIMG_5490.jpgこの屏風は「関ヶ原合戦屏風」で、江戸時代中期に書かれたもの。

IMG_5487.jpg西郷南州(隆盛)書「守哲無知」。西郷隆盛は、明治初期に活躍した政治家・軍人であり明治維新の立役者。信念を貫くことの重要性を示している書である。

IMG_5492.jpgIMG_5494.jpgIMG_5495.jpgIMG_5503.jpgIMG_5609.jpg建物内も1階と2階を回ったので、まだ空いている間に庭園に降ります。靴は下駄箱がないので置いたままです。荷物はまだ預けたままにしました。

IMG_5611.jpg10時14分に庭に降りました。この拝観では建物を見てから庭園に降りるシステムです。先に庭園には行けません。

IMG_5509.jpgガイドつき完全入替制の庭園見学」に来ているので見所は分かっています。こちらは「織部灯籠」です。

IMG_5510.jpgIMG_5512.jpgガイドつき完全入替制の庭園見学」では、中には入れた「腰掛待合」です。

IMG_5514.jpgガイドつき完全入替制の庭園見学」では曇り空でしたが、この日は快晴の天気。綺麗な見事な庭園が晴天に映えます。

IMG_5516.jpgIMG_5518.jpgIMG_5520.jpg苑路を進むと、池に浮かぶのは「中島(亀島)」が見えて来ました。ここにはクロマツやサツキツツジ、マツなど植えられています。

IMG_5522.jpgIMG_5523.jpgIMG_5525.jpgちょうど正面に「對龍台」が見える所まで来ました。まだ誰も庭園には降りてきてないようです。

IMG_5526.jpgそこには「水車小屋」がありました。午前に来ると、どうしてもここは逆光となります。

IMG_5527.jpgIMG_5530.jpgIMG_5531.jpgIMG_5532.jpg次に「藤棚」まで来ましたが、今日は、その先に行けません。ガイドつき完全入替制の庭園見学の時は、行けました。

IMG_5533.jpgIMG_5535.jpgIMG_5536.jpg芝生広場」には「四阿」があって、かつてここで園遊会などされていたのでしょう。ガイドつき完全入替制の庭園見学では、ここに座ってガイドさんの話しを聞きました。今日は座れません。

IMG_5539.jpgIMG_5540.jpgIMG_5541.jpgIMG_5542.jpgIMG_5543.jpg芝生広場」を抜け再び池の畔に出て来ました。

IMG_5544.jpgここで「飛石」を慎重に渡りました。ガイドつき完全入替制の庭園見学では落ちた人が居たとか😊。

IMG_5545.jpgこの小川の「せせらぎ」、植治こと小川治兵衛の庭では、平安神宮なんかでもありましたね。

IMG_5546.jpgIMG_5547.jpgIMG_5549.jpgIMG_5550.jpg小川を渡り、少し小高い丘を上がって、降りて来ます。この辺りは秋には紅葉が見られそうです。

IMG_5551.jpgIMG_5552.jpgIMG_5553.jpgIMG_5554.jpg庭を回って「聚遠亭」が見える所まで来ました。見所はまだまだ続きます。

IMG_5559.jpgIMG_5560.jpgIMG_5563.jpg聚遠亭」の前に座って、しばし休憩です。長く伸びた庇に、小川の水が光って綺麗です。

IMG_5565.jpg<IMG_5568.jpg苑路を小川沿いに歩くと、「流れ蹲踞」を見ることができます。以前の案内で遣水につくられた蹲踞のことだと教えて貰いました。

IMG_5570.jpgIMG_5572.jpgここで、また小川を飛石で渡ります。落ちないように慎重に😊。

IMG_5573.jpgここから真横に「大滝」を見ています。一番近くに大滝まで来ました。

IMG_5574.jpgIMG_5576.jpgIMG_5579.jpgIMG_5581.jpgIMG_5582.jpg對龍台」の近くまで来ると、小さな滝が流れています。この滝の音を「對龍台」では聞いているわけです。

IMG_5585.jpgこのように「對龍台」は池に張り出すような形で作られたのが分かります。余談ですが、この飛石が一番渡るの怖かったです。

IMG_5589.jpgこれで池を一周して来ました。天気も快晴で、綺麗な庭園をゆっくり散策できました。

IMG_5592.jpgIMG_5593.jpg庭園を巡ったあと、もう一度建物内に入ってみました。空いているかなぁ・・・と思いましたが、ますます人が増えてて預けていた荷物を受け取り出ていくことに。

IMG_5613.jpgIMG_5616.jpg10時40分頃に出て行きました。この日で3回目の訪問だったので、もうしばらくは行かないかなぁ😊。

帰りは東天王町まで歩き、市バスに乗って帰りました。天気は良かったけど、スギ花粉の飛散が最盛期を迎えることになって、早々に退散することに😂。ランク5の「極めて多い」と出てましたが、個人的に私は、スギよりヒノキの方が体に堪えるみたいです😒。

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